Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #79
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #79
「そうだ、こいつがあったんだ」
キムは一錠 カプセル出す そのまま口に含む 飲み込む
無防備にもほどがある
「なんだそれは?」
「これか?」
ピルケースを振って見せる 横に文字の羅列 読めない
「体力回復の錠剤、ってやつだな、そう書いてある」
マジか 小さいハングル文字 暗号の名残
「ああ、これを飲むと気分がよくなる。まず間違いなくHPが回復する。体も軽くなるし…なによりそれまでの傷や痛みも無くなる」
確かにだ キムの顔が治った ズレが治る 腕も…ぐるん、と周り戻る 脹脛も膨れるように泡だって…治る ただ……
残るギザギザ 傷の痕 継ぎはぎした線の痕 原因はこれか
「サルのときも飲んでたのか?」
「なんだ? サルって?」
そうか覚えてないんだったな
「どれくらい飲んだ? あとどれくらい残っている?」
「ああ?」
そういって耳元で振る 中身を見ていえや
「半分ぐらいだな…半分? もうそんなに飲んだか」
どれぐらいでそこまで飲んだのか…記憶がねえからわからねえか
「それよりもお前はなんでこんなとこにいる? こんなとこで何してる? ああ? なに馴れ馴れしくおれに話しかけてくるんだ、ええ?」
いきなり ポジションの探り合い オレには乗りツッコミにしか見えん 最初からか 面倒な
「さっき話しただろう? お前が上から降りてき、ここで一緒にゲーム攻略をしていた。ただこの先のサルを倒せなくてな、ふたりして死んでここに戻った」
まあ、オレは違うとこで死んだんだけどな
「そうしたらお前がなんも覚えてなくて…こっちが混乱しているところだ」
「覚えてねえ…確かに途中から記憶がねえ、ここに来た覚えがねえ…そうか、それはすまなかったな」
以外にも素直に謝る どういう心境の変化だ?
「それでお前は…マイケルでいいのか? プレイヤーなのか?」
「……ああ、そうだ。ほかにもプレイヤーはいると…覚えてないか」
「ああ…そうなのか、それでか……」
腕を組み顎をさする その動作は癖なんだな
「心当たりがあるようだな」
さっきもそういっていた
「ああ…男だ。おれを見て逃げ出しやがった。遠くて…追いかけたら角でいきなり殴られた。どっから持ってきたのか…角材か何かで何度もな。死にゃあしなかったが…あいつ、見つけたらボコボコにしてやらねえと、気が済まねえ」
掌に拳を打ち付けて キムはそう意気込む 男?
やはりまだほかにいるのか…プレイヤーだといいんだが
いきなり殴りかかってくる奴はキムだけで十分だ




