Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #60
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #60
このゲームでこんな光景をオレは見たことがない
「手応えがねーなあ ええ? ほら? どうした? もっとかかってこいよ。殴り返してやっから」
キム…と名乗った男は素手でナースと対峙した ぶっ叩く ナースからも叩かれるが、お構いなしに ぶっ叩く 手数は男の方が多い ナースがその度に、ダメージを受けたようによろける
「無駄にでけー乳してんじゃねえよ、誘ってんのか? ええ? ほおらっ、っんだよ、三階の奴らよりよえーなあ、張り合いがねーぜ」
ほとんど一方的に 武器も使わずに 躊躇いもなにもなく
楽しそうに 笑顔を浮かべながら
ナースを倒した
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今度はこういった奴か このゲームはよほど…まあいい
体力が無くなったナースはよろけるように崩れ落ちると蹲り、それから透明になって消えた
いまのエフェクトは……
「いまのでレベルアップだぜ、やっと008か…先は長そうだな」
レベルアップ? 「なにがアップしたって?」
「ああ? あーわかんねーか…上のとこによ、ポイントが浮かんでんだわ。それがいま、008になった。この数字が上がると相手に与える攻撃力がダンチになって、倒しやすくなんだよ」
なんだそれ?
「お前…」
「グァエジェンさんな、間違えんなよ」
上下関係の探り合い 男性はこれがあるから面倒だ
「ああ…キムがやってるのも、St・ミカエル・ラザフォード・ホスピタルでいいのか?」
「ホス…ああ病院か。そうだぜ、なんでもぶっ殺しゲームって聞いたからな、おれに合ってるぜ」
ぶっ殺しゲーム?
聞いたこともない
「無双とかハクスラと同じでいいのか?」
「そうだな…それに近いって感じだ」
「素手でか? 武器を使わずに?」
「そうだぜ、そう聞いたからはじめたんだけど…あんたはマイケルでいいのか?」
「ああ、それでいい」中身が知れるといろいろ面倒だしな、この国同士は「そのポイントってのはなんだ? どうやって手に入る? 効果は?」
オレのカウントと同じではないのは確かだ 違いはなんだ?
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「ポイントってのはポイントだよ…モンスターを倒すと溜まって、一定以上、倒すとレベルアップ、力が上がる」
ほう…
「何体ぐらい倒して今の状況になっている? というかキムはどこから始まった? どうやってここまで来た?」
「んだよ、質問ばっかだな…お前の方はどうなんだよ? ええ? ポイントはあんのかよ? レベルはいくつだ?」
「ない、そんなポイントはオレにはない。だからレベルとかもわからない」
カウントはある だがお前のとは対象が違う
数字が変わっているが…いまはそんなこと大事ではない
「じゃおれより下か…ポイントがねーんじゃ、カスかゴミかクズのどれかだな。まあ、最初のマイケルだからな、仕方ねーか」
最初のマイケルのまま?
「そいつ、弱っちーだろ? 武器持たねーとモンスターも倒せねーし、最初、なんでこんなゲームはじめちまったのか後悔したぜ」
「どうしてはじめたんだ?」
「AIさ」
AI?
「AIのおすすめでこれをすすめられた。おれにぴったりだってな」
もし、このゲームを勧めるAIなんかがあったら、オレはそれを疑う 絶対正常じゃない
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