Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #27
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #27
オレは、オレ自身が死ぬことにはそれほどこだわりがない いいやそうじゃない 死ぬシチュエーションは試したい 同じ死に方を延々と繰り返すのがイヤなだけだ
目の前で他人に死なれた NPCを殺さないでクリアしなければいけない、であったのなら失敗だ
エレベーターが降りる
それほど仲のいい間でもない さっき、知り合ったばかりといっていい
エレベーターが動く 降りてくる
それなのに
IIの位置に到着する
こんなにショックを受けるとは思わなかった
なにをしている なにを呆けている なにを動揺している
これをどうする? このままにする? 引きずっていく? 近寄って……どうする!
エレベーターのドアが開く
チン
瞬間 オレはカウンターを乗り越え向こう側へと飛び込んだ 一緒にものが落ちる 手で押さえ音を殺す
「つっ」
痛みを堪える 音を 匂いを 存在を消すように潜む カウンターの上に置き忘れた杖をひっそりと手を伸ばして取り入れると下へと逃れ、息を殺す
カメラが切り替わった
エレベーターホールの天井に付けられている監視カメラからのような映像 絶妙な位置にある カウンターのこちら側も少しだけ写角に入る そこにオレは見えない
これなら… いや安心はできない
やや間があって、歓喜したように、狂喜したように、3匹のバケモノが飛び出てきた
若い男性 10代ぐらい 全員が猫背 いや…
80年代のヒップホップやロック、ポップといった音楽好きが着るようなハデなぼろぼろの洋服 それぞれ帽子をかぶり、顔は見えない
跳ねるように、出てきたそいつらは、そこにあるジュディの体に気づいて、体全体で喜びを表す
最悪だ
いとも簡単に、ジュディの腕を引きちぎって それをローストチキンのように齧り付く ご丁寧に洋服を剥いでいく
アルファマール…こいつらはそう呼ばれる
アメリカの俗語…少し昔のビジネス用語での
ボスザル男
という意味だ




