Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #26
※Attention! 今回のお話しには凄惨な場面があります
ホラー好きな方は大丈夫だとは思いますが お気をつけください
文章ではスルーできます
くれぐれも映像で思い浮かべないでください
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #26
エレベーターホールの左右のドアは閉じられている 古い木製の扉は鍵が掛かっている 右手は今来た東棟 ここの鍵は開けられない 釘と板で打ち付けられていて、外せない 左は西棟 こちらのドアは開けるための鍵が必要 そして、それは誰かが持っている 倒して手に入れるしかない どっちからでも鍵は開かない
確かめてはいないが、前と同じならそのままだ
薬剤室の正面はナースステーションのドア ここのドアは両方とも鍵がかかっていて、内側から外せる カウンターを飛び越えて入る
うきうきしたようにジュディはエレベーターの表示窓を見上げる IIIのところにある針 それがIIに移動する
身構える どうしたらいい? バケモノがいたのならエレベーターの真ん前にいるジュディは助からない 助けるべきなのか 見捨てるべきなのか
少しの間 そんなことを考えている間に、エレベーターが到着する 軽いそんな音を発して止まる ドアが開く
「え?」
漆黒
エレベーターの中は墨を立ち入れたように真っ黒だ 止まった衝撃で波が広がる
「な…」
なにも考える間もなにもなく
「ヒッ」
何本もの手が飛び出てきた
「やっ」
ジュディをつかむ
反応することもできずに、ジュディは手に捕まれた 髪 服 腕 引きずり倒される 床に触れ伏す こちらに体だけを残して、頭だけが真っ黒な空間に入り込んだ
その瞬間
ガシュ
上からエレベーターが落ちてきた
………
鈍いそんな音を立てて
………
そのまま下へと落下していく
NeckGuillotinDead
死んだ?
目の前は普通のエレベーターが上下する空間 それがそこに残る
嫌な音を出して 身体だけが 首を無くしたジュディだったものがそこに残る
淡い色の壁が、天井が、床が、太陽光が、まるで古いホラー映画の特殊メイクの蝋人形の顔が崩れていくように、融けて剥がれて落ちていく
まだ心臓が動いているのか 切り落とされた首元から鮮血が流れ出す
融け落ちたものが、そのまま、床にまで流れ落ちて、血溜まりをつくる 床に吸い込まれて、消えていく
階下へと滴り落ちる
足がバタつき 手が痙攣がする まるでまだ生きている、ということをオレに知らせるかのように
それもやがて尽きて、止まる ぐったりと床にへばりつく キャラセーターが血に染まっていく
溶けたすべての空間が元の錆付いた、血飛沫と黒とそんなものに戻る
「死ねばいいのに」
すぐ背後 首筋の真裏から少女の声がした
そして
上からエレベーターが降りてくる




