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Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #15


セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #15



用具入れのドアを開く 女性が口を塞ぎ丸まっている


「おまえは誰だ?」


「ひっ」


さらに縮こまる


「このゲームのことはどこまで知っている?」


「ゲ ェ ム ?」


途切れ途切れ言葉を確かめていった女性はやっと顔を上げた


「そうだ これはゲームの中だろう? St・ミカエル・ラザフォード・ホスピタル この名に聞き覚えは?」


ヒュイッ


そんな息の仕方をして、うわ言のように確かめる


「そんな…だって……ゲームだなんて…ありえない ありえない ありえない……だって わたしはゲームをしてただけで…それなのに…なんで? なんで? なんで? なんでこのゲームなの? もっと違うやつだってあったのに!」


最後の方は悲痛な叫び その気持ちはわかる、わかるが……


「違うゲームには呼ばれなかった それだけだ」


睨んだところでこれはもう変わらない 王女や悪女、聖女、令嬢、魔女や娼婦…そんなのに全員がなれるのならいい ただ、そうはならない 死んだあとのことは死んだあとでしかわからない


「それでおまえはどこまでいった? クリアした?」


「クリア?」


不思議そうに反復する やや、間があって、またつぶやく


「もうちょっと アイツに…何度も何度も何度も蝕台(しょくだい)を倒されて……それでここから出られない…終われない」


「そうか」


最後の攻略は実は単純だ 倒されるのなら…おっと、ネタバレは厳禁だった


「それでどうする? ここにいるつもりか? じき、隣人が戻ってくるぞ」


「ヒッ」


隣人はここから出るとワンダリングになる 入れるところへはどこへでも現れる 男子トイレの個室にだって入ってくるぐらいだ


「母親が?」


「まあ…そうだな」


最後の直前まで行っているんだったらそこまで知っていて当然か


「折角、ここにあるアイテムを手に入れられる機会があったのに…おまえのせいで台無しだ」


「アイテム?」


不思議そうな顔をするそばかす ああ……


「ここに濃硫酸と塩酸のビンが置いてあった 投げ当てることで一時的に相手を怯ませることができる その間に逃げることも、通り抜けることもできた おまえがオレに投げつけたから、もうその手は使えない」


「!」


攻略のネタバレは禁止だが、これぐらい気がつかないとここでは死ぬ



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