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Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #14


セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #14



もうここに用はない ここでの死チュエーションはこれで全部だ


慎重に、でも素早く薬剤室へと向かう


ドアを開ける 鍵を忘れずに閉める 閉めてもこの鍵は開く 理不尽に


それでもかまわない


部屋には…誰もいない


ここで隣人を撒かなければいけない 避ける手段の一つは左手奥の掃除用具入れに隠れることだ


ご丁寧に目線の位置に隙間がある掃除用具入れはすべてのホラーゲームでの回避場所としてスタンダードに使われる ここを使わないホラーゲームは製作者がアホなのだろう


薬品 薬品棚 書類の山 放り棄てられたいくつもの備品 そんなものの隙間を通って用具入れに向かう


開けて……まあ、そうだな


中には先ほどの趣味の悪いトレーナーを着た女性が、自分の口を両手で抑え、小刻みに震えていた 涙ぐむ


目が合う 驚愕したその目と顔は真っ青だ


いや…どうしよう?


ここに二人分のスペースはない ドアが蠢き始める 女性の鼻呼吸が荒くなる バタバタ、前後するドア 意識が飛びそうになり、飛ばずにペタン、とへたり込む女性 過呼吸気味 体を蠢動させる


カチャリ と鍵が開く 不自然に 内側から なんの力で?


ここまで来て…もう前の死に様は飽きた 次に行く番だ


咄嗟に用具入れのドアを閉める ここにはもう一つ、隠れられる場所がある


薬品棚の下 そこが一か所だけ開く


そこへ滑り込んで、扉を閉める のとほぼ同時にドアが開き、隣人が入って来た


この隠れ場所にも目の位置に隙間が設けられている 用具入れは立っている目線で、ここは足元からの目線で 違うシチュエーションを楽しめる


入口で戸惑ったように立ちすくんだ隣人は、やがて、探るように、探すように、室内を歩く わざと用具入れの前で目線に合わせるようにそちらを向く この下には来てくれない


残念だ


やがて、大きくうめき声をあげたかと思うと、そのまま中央棟へと続くドアへと向かう そこから先はここからでは見えない 自動的に開くドアの音 そこを抜けて向こう側に消える音 自動的に閉まるドアの音


やがて消える呻き声


これで最初のイベントが終了 リスタートもこの位置に変更される


きちんと閉まった音を確認して、外へと出る


東棟、中央の鍵を閉めに行く 閉めても意味は無い 解除される音で気がつくことができる


用具入れに入った女性は出てこない


アイテムがないことを確かめる これでこのあとの進みが難しくなった


ハードモード


そんな言葉を脳裏に浮かべつつ


話を聞かなければならない


どうなっているのか またゲーオタの血が騒ぐ


ただ…


きちんと話ができる状態かどうかはわからない



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