Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #102
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #102
ゴシック・メイデン 古い教会などでよく見る、祈りの導女 向こうから見たら右 穴がある奥の個室を下にしていた いまはきちんとオレ達と同じ様に立っている
?
いつ変化した? 手も横に伸ばして 左を差す 右手は…胸の位置で何かを掴んでいるかのように結ばれている 右手の位置は…どうだった? 左手は変わった 向こうから見たら下だった この変化はなんだ?
手を伸ばす…「お前邪魔」キムを退かす
「なんだよ、いきなり…お前、ほんとに…まあいいか。で? お前の数値は何なんだよ」
「ああ? そんなのはいまは後だ。修道女の位置と形が変わっている。視覚に依存してないのか? それとも位置で変わるのか? なにがトリガーだ? 何の意味がある?」
「はあ? そんなの意味なんかあるわけないだろ? 考えすぎだって…で? お前にある数値はなんだよ? レベルアップじゃねえんだろ? 教えろ、そっちが先だ」
「ああ? そんなつまらないことを気にするのか? お前本当に変わってるな」
「なんて素晴らしい!」
「お前にいわれたかない…仲間の能力を知っておくは悪いことじゃねえ。マルチプレイヤーオペレーションゲームならそれが当たり前だろうが」
そうか
「オレの数値は死んだ後、その時間の間、苦痛と喰われている自分を見せられるものだ。何の役に立つのかわからねえけどな」
後ろからも見てみる 停止時間は発動がわからないから除外 テクスチャーが変わっている? その間…見えたり聞こえたりするが…それだけだ 前と後ろでエフェクトが違う 何の意味もない
本当にそうか? それで何度死に戻った?
「マジかよ…死んでいく痛みを? その間? ずっと? そんなのをやられ続けるってのか? お前…いや…大丈夫なのかよ? それ……」
「最高だ!」
ああ? 「なにがだ? たかが死ぬ時の痛みだ。慣れればどうということはない。それより退け」
「お前……」
精神的苦痛に比べれば肉体の傷みなんてなんてことはない ただの…いまの状況の喪失に繋がるだけだ
「痛みは個人差がある。強い奴もいれば、盛大に痛がる奴もいる。だがどちらも、痛みの予感と心理的脅威度が関係している。死ぬのが怖い奴は棘が指先に刺さっただけでも痛い。それでは死なないとわかると、痛みは弱まる。それだけだ」
いくつか…ホルモンと脳内麻薬が関係するが…そんなことはいまはいい
「お前…医者か何かか?」
横から見ると…完全な二次元 いることさえもわからない…?
「いいや、白衣は着てるが医者じゃねえ…どっちかってーと研究者だ」
白衣の天使ではないことだけは確かだ 死神かも知れねえがな
「おめでとう!」
「なんだよ…エリートかよ…心配して損したぜ」
前からは…修道女の正面 後ろからは…きちんと後ろ姿だ 通常、こういったテクスチャーは前後がない 投影されるポリゴンがあれば、そこの面に貼っつけることでそうなる だがこいつは二次元 触れない 張り付けるポリゴンはここにはない 通り抜ける
「白衣を着ている奴が全員、エリートだと思うな。そんなこといったら…政治家は全員、頭がよくないといけない。だが、そんなことはない。半分以上は白票と青票を入れるだけの数合わせだ。お前のとこだって…どこもそんなもんだろう?」
あぶない 白票とかはこっちにしかない ほかでは全部異なる Voteで訳してくれ
「いや…さすがにそこまでおれのとこは悪かねえよ。たぶんな」
そうか
「でだ、この修道女の向きと形が変わっている。これはどこで変わった? お前…気がついたか?」
そう聞くが…キムは腕を組んだまま呆れ顔 お前…よくそんなんで生き残れてきたな?
「いいや…お前がこういったゴシック好きだ、ということがわかっただけだ」
「天才だ!」
そうか…ゴシックを嫌いなやつとは仲良くなれない
「向こうから見たら右…こっちの穴を下にしてた。いまは…オレ達と同じように立っている。この違いはなんだ? 何の意味がある?」
「知るかよそんなの…そういうもんなんだろう?」
「お前…隠しイベントとか、アイテム、ユニークを見つけられない質だろう? 効率厨、どんなゲームもクリア優先。初期ランカーやリリース直後のネーム掲載を狙ってムリに重課金をして進めるタイプだ、違うか?」
「なっ…いいじゃねえか…名前が載るってのはいいことだぜ。モチベーションに繋がるし…乗らねえ奴にいわれたかねえよ」
そうか
「一度戻るぞ、キム。付いてこい…で、向こうから修道女の向きがどうなったのか教えてくれ。オレはこの女から目を離さずにこっちへと歩く。それで…何が変わるかわからないがな」
「マジかよ…先へと進むってのはどうなったんだよ? お前の話も…まだ途中だろうが」
そうか? 「いま話した以上はまだわからない。死んでから考えればいいことだ…ただし、そうなった瞬間に元には戻れないかもしれないがな…不可逆性はどんなとこでも不可分だ」
人間、死ぬことだけは平等だ 手に入れられないものがあっても、失うことは公平に訪れる
そういうとキムは呆れたようにため息をついた
「ああ、分かったよ…お前の方が状況がわかってねえと思うがな……」
「神に祝福されしものよ! 栄光あれ! 栄光あれ! 栄光あれ!」




