Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #101
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #101
「どういうことだよ?」
聞き返すキム 覚えてないということはこういう弊害をも生む
「記憶がないといっているだろ? お前が最初に来た時はそれまでの事を全部覚えていた。だが死んでいくうちに記憶がスタートへと戻っていっている。もし…これは仮定だ、正しくないかもしれないが…お前の記憶がスタートより前に戻ったのなら、お前は本当に死ぬ。ここで死んで…永遠に現実へと帰れない」
そういったのだが…キムは目を瞬いて、考え込む 理解できなかったか? いまのいい方で?
「最高だ!」
「いや…それをどう証明する? おれの知らないことをいわれても…簡単には信じられないぞ?」
「お前…死んだことがないから死後の世界は信じない、っていう奴と同じ論理でいい返してるぞ」
「????? それがどうかしたのか? そんなの…当り前じゃねえか」
当たり前ね
「自分のいうことに矛盾があっても正しくて、相手のいうことに矛盾がある時には間違いだ…それはお前の心理優位性に依存している」どんな人物も自分だけは正しいからな「いっている人物といっている内容といっている態度は全て、連帯しない。そのどれも、切り離して考えろ」
オレが教えてやれることはこれぐらいだ あとは自分で考えろ
「ああ? いろんなことこねくり回してるのはお前の方だろ? お前のいってることの方が本当に……」
「お前に会う前にほかのプレイヤーに会っていた、と…いったんだが…覚えてねえか」
「ああ? ほかのプレイヤー…? はあ? 聞いて…覚えてねえよ、そうなのか?」
「お前だってほかのプレイヤーかも知れない奴と会っていた…といっていた。そいつに殴られたってな」
「ああ、確かにそうだが……」
「そいつにも数値があった。オレにも数字がある。お前のレベルアップとは違うけどな…たぶんだが、プレイヤーにはそれぞれ、異なる数値と能力がセットされている。チート…といえば聞こえがいいが…オレが考えるに…これは死ぬまでのカウンターだ」
現実に戻れなくなるまでの上限 使い勝手のいい、使うように与えられた罠
「祝福を!」
そこまでいって やっとキムは自分が置かれている立場を理解したらしい 忘れるから意味はないが
「ちっ、なんか隠してると思ってたが…そういうことかよ。お前…数値のこと、黙ってたな?」
なんのことだ?
「お前が忘れてんのがいけないだよ、これも何回目だと思ってる」
「ああ…うるせーよ、それで? ほかの奴が…数値とかなんとかで…そのまま死んだって? 戻ってこれなくなったっていうのかよ? それこそ…現実に戻ってんじゃねえのかよ?」
ちょっと違うが…まあいい そう思っているのなら好都合だ
「そいつの数値は死ねる回数だった。上限は…かなり少なくてな、そいつにはこの回数に達するとどっちでも死ぬんだとわかっているようだった。オレもそれは証明できないが…そいつはそう行動していた。なるべく死なないようにするってな」
まあ…お前と同じポンコツではあったがな 甘っちょろくて…瞬時の判断が遅い あれは救いようがない
「天才だ!」
それはそうかもしれない…お前はいちいち、反応するんじゃない
キムは押し黙る やや考えて…から……?
「ちっ、なんもかんも上手くいかねえもんだな」
明らかに嫌な顔をして舌打ちをする お前…ゴシックメイデンと体が被っているが…いいのか? 気になんねえか……
………
キムの立ち位置 ちょうど修道女の真ん中に立って…腕を組む 修道女を割って 胸の位置から顔を出して……




