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暴君メスガキウス

 メロスのちん〇んは激怒した。


 必ず、かの邪智暴虐のメスガキを分からせねばならぬと決意した。


 メロスには政治が分からぬ。分数の計算も分からぬ。三の段は余裕だが、四の段になると少々危うい。引き算も二桁になると時々間違う。

 メロスは、無職である。笛を吹き、ヒツジやヤギとまぐわって暮らして来た特殊性癖者だ。それゆえちん〇んは人一倍に敏感であった。


 今日未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里離れた()のシラクスの市にやって来た。


 メロスには父も、母も無い。女房もない。十六の、控えめな膨らみを持つ色白清楚系の妹と二人暮らしだ。この妹は村のある律儀な一牧人を近々花婿として迎えることになっていた。結婚式も間近なのである。メロスは、それゆえ、花嫁の衣装やら避妊具やらを買いに、はるばる市にやってきたのだ。


 先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市でオナホ職人をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。新作もできているという噂だから、訪ねて行くのが楽しみである。


 歩いているうちにメロスは、街の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もうすでに日も落ちて街は暗いのだが、この時間になっても娼館の客引きがなく、寂しい。ひそかに楽しみにしていたのに。


 のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年前に此の市の歓楽街に来たときはそりゃあもう客引きや立ちんぼが多く、ひとたび路地裏に入れば若者が立ちバックでパコってる有様で賑やかであった筈だが、と質問した。


 若い衆は首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺(ろうや)に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは右手で老爺の金玉を強く握りながら質問を重ねた。老爺は小さい悲鳴を上げてから、あたりをはばかる低声で、わずかに答えた。


「メスガキに搾り取られます」


「精液をか。なぜだ」


「はい。街ゆく男を見ては『こぉんな子供に欲情するダメち〇ぽは懲らしめてやる♡』と難癖付けて城に連れてゆかれます。誰もそんな淫心など持っては居りませぬのに」


「誰とでもヤるのか」


「はい、はじめは父王を。それが腹上死して自分が王位につくと今度は姉の婿を寝取り、臣下の男もすべてしゃぶりつくし、城はイカ臭いのが常となっております。年頃の男はみなちん〇んを差し出すことを命じております。ご命令を拒めば十字架にかけられて限界手コキされます。きょうは、六人抜き倒されました」


 聞いて、メロスのちん〇んは激怒した。


 天を衝くが如く勃〇し、今にもはちきれそうに脈打っている。


「呆れたメスガキだ。分からせねばならぬ」


 メロスは単純な男であった。それほど淫蕩な王であれば自分もヤれるはずと思い、買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。


 たちまち彼は巡邏(じゅんら)警吏(けいり)に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からは避妊具(コンドーム)が出てきたので、騒ぎが大きくなってしまった。


 メロスは、メスガキの前に引き出された。


「こぉんなモノ持参して、ナニするつもりだったの~?」


 暴君メスガキウスはにやにやと挑発的な笑みを浮かべ、豚の腸で作られたコンドームをくるくると振り回しながら問い詰めた。


 メスガキはキャミソールのトップスにホットパンツ。キャミソールの肩紐は肩からずれており、幼いふくらみと、その先端までが見えそうである。足は玉座の上に片膝を立てており、隙間からパンツが見えそうであるが、けれども見えず、代わりに毛一本無い白磁の如き美しい肌を覗かせている。角度的にはパンツが見えるはず。ノーパンであるというのか。


「メスガキに分からせてやるのだ」


 メロスは勃〇しながら答えた。


「はぁ~? あんたみたいなよわよわち〇ぽのマゾ大人が誰を分からせるってぇ~?」


 メスガキは憫笑(びんしょう)した。


「あんたみたいなロリコンのざこ大人があたしに勝てるわけないじゃん♡」


「言うな!」


 とメロスは、いきり()って反駁(はんばく)した。


「生意気なメスガキに大人が負けるなどあり得ないんだが!! 大人の恐ろしさを十分に分からせて懲らしめてやる」


「はぁ? 大人の恐ろしさぁ? 大人が土下座して情けなく腰ヘコしながら媚びてくるロリコンばっかだって教えてくれたのはあんたたち大人の男なんだけどぉ?」


 メスガキはそう言うと、ほっと溜息をついた。


「あたしだって強い大人がいるって言うなら、それを分からせてほしいんだけどぉ♡」


「強い大人は基本的にメスガキに対して負けることなどない」


 今度はメロスが嘲笑した。


「中途半端な男を犯して、何が『ざぁこ♡』だ」


「だまれし。ざこ大人が」


 メスガキはさっと顔を挙げて報いた。


「口でいくら言ってもざこち〇ぽのよわよわ大人が情けなく敗北射精するのが目に見えてるしぃ♡ 磔になって限界射精させて死刑にしてやるよ♡ 命乞いしたって聞いてやんないよぉ♡」


 磔はまずい。計画と違う。


 オーソドックススタイルのフリーファックでメスガキを犯したいと思っていたメロスは顔色が変わり、なんとか時間稼ぎをしようと考えた。


「ああ、王は悧巧(りこう)だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに」


「ホントにぃ♡」


「もちろんだ。ここに来る時点で命など捨てている」


「そっかぁ♡ じゃ、(はりつけ)の用意」


「ただ、私に情をかけたいつもりなら」


「いやかけないし。早く磔の準備して。巻きで」


「磔までに三日間の日限を与えてください」


 メロスはメスガキの言葉を無視して言い切った。彼はそのままメスガキにしゃべらせないために言葉を続ける。


「たった一人の妹に亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます」


「あるわけないし♡」


 暴君は甲高い声で笑った。


「とんでもない嘘つきじゃん♡ 逃がした小鳥が帰ってくるってのぉ?」


「多分、そうです。きっと帰ってくるのです」


 メロスは必死に全力で言い張った。


「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ」


 メロス、必死の言い訳である。しかしメスガキウスは彼の心の内を見透かすようににやにやと笑っている。メロスは咄嗟に言葉を続ける。


「そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスというオナホ職人がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう」


「ぶっ!?」


 メスガキは思わず噴き出した。


「私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を磔て限界手コキで抜き倒してやってください。たのむ、そうして下さい。」


「あんたマジ? さんざん困った挙句全然無関係な友達を人質にするとか、見たときないレベルのクズじゃん♡」


「本当にたのむ、そうして下さい」


 メロスは再度念押しした。


 それを聞いて王はひとしきり笑った後、残虐な気持ちになり、考えた。


(このおっさんやることなすこと無茶苦茶だし♡ 一度逃げたら帰ってくるわけないジャン♡ いっそのこと騙されたふりして身代わりを三日後に磔にしてやる方が面白いっか♡ 『メロスが頼むからそうしてくれって言ってたんだし~♡』 とか言いながらセリなんとかって奴を快楽堕ちさせてやんよ♡)


「よ~っし、願いを聞いてやんよ! そのセリなんとかを呼んできなよ。三日目の日没までに帰ってこなかったり遅れたりしたら、手コキ連続絶頂射精させて快楽堕ちざこ大人にした上で死刑にするから。

 日没に、ちょこ~っとだけ遅れてくれば、おじさんの罪は、永遠に許してあげるよ?」


「なに、何をおっしゃる」


「ふふん、自分の命が大事ならわざと遅れて来なって言ってんのよ? 言わせんな恥ずかしい♡」


 メロスは口惜しく、ガッツポーズをとった。ものも言いたくなかった。

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