ep.1 魔法学園の学食事情
=アステリア国立魔法学園=
それは、魔法が蔓延るこの世界で魔法による事件を防ぐためにアステリア魔法局が建造した学園――
僕の名前は「ルルーディ・ネクタル・シスタティカ」通称「ルネクタ」と言う。
アステリア国立魔法学園に通う極普通のただの2年生だ。
...極普通と言ったが、一つだけ僕には「普通じゃない」所があるそれは...
『アステリア魔法学園の特別な学食の食材調達をしている所だ』
――――――ジリリリ ジリリリ
朝の目覚まし時計の音と共に、朝日が窓から入り込んでくる。
「...もう朝か」と、独り言を言いながら準備をする。
「今日は授業休みだったっけな」「あれ?制服どこだ?」「あったあった」「羽衣の魔法」
そんな独り言を話しながら自分の寮の部屋を出る。
「今日の日替わり朝学食何だろうなぁ」「...それにしても今日はやけにジロジロ見られるな」
心の中でそんな事を呟いていたらいつの間にか学生食堂「ファントム」に着いていた。
「すみません、「陽光の鶏」の卵サンドをください。
そうやっていつもの定位置に着き、食事をしていたら後ろから急に飛びつかれたかの様な衝撃が来た。
「ブフゥォオッ!!!」
「ちょ、誰だよッ!!!」
「「エヘヘー私だよ!」
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後ろからいきなり本気で飛びついてきたコイツは俺の同期の2年生、名前は「ペタルーナ・ウラーナ・アネモス」通称「ルナ」と言う。
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「ザワザワ...ザワザワ...」
「おっとマズいぞぉ...周りの男子からの眼差しが鋭すぎる...ッッッ!!!」
「ちょっと男子ぃ睨まないでよぉ!何てふざけてる余裕ねぇ...ッ!!!」
そう、彼女は僕と同じ学生食堂で食事をする勢の一人なのだが、彼女が学生食堂で食事をすると知ってから急激に男子の学食利用者数が増加したくらい男子からとんでもない人気を博している人物なのだ...ッ!!!
この瞬間、頭をフル回転させこの状況から逃げる言い訳を考えるが―――
「あぁ...頭の中でto be continuedのあの曲が流れてきた...」
もう終わったぁ...と思った時、ルナが喋った―――
「...あれ?服の裏表逆になってるよ?w」「...うぇ?」
そう、今日注目されていた理由が何と制服の裏表を間違えて着ていたことが判明したのだ。
「ド、羽衣の魔法!」
そう唱えた瞬間...なんと僕の服の上と下が逆転してしまったのだッ!!!
「ブッフォwww」と言いながら周りの男子達は飲んでた飲み物を噴き出す...そりゃそうだろう、目の前の男がパンツを頭に被りながらズボンの腰を通す所に体を、足を通す所から腕を通らせていて更に制服のシャツの袖の部分から足を出してその服及びズボンの上から羽織りを着ているのだから...
「ド、羽衣の魔法ッ!!!」「流石に上手く行ったか...ふぅ、」周りの男子達は爆笑していて何とかこの危機を抜け出すことが偶然ながらも出来た。
「 「「ルネクタぁ...w さっきの格好...よかったぜ...w」
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そうやって話しかけてきたコイツは同じ寮に住む『一様』先輩の3年生「エダフォス・リパスマ・フロンティダ」通称「エフォス」と言う。
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「いやぁ...流石にちょっと寝ぼけすぎたなぁ...」
「お前さっきの上下反転衣装を普段から着用すればいいんじゃねえか?w」
「絶対にイヤだッ!!!」
と他愛ない話をする―――
「あ、ねぇねぇルネクt」
そう言いかけた時、背後からチャラそうな男子が声をかける。
「あ、ルナさん!こんな所で奇遇だねぇ!どうせなら僕と一緒に食事でも...」
「あ、えっと...その」
「あ、すまんエフォス!今日はそういえば予定があるんだった!」
「ん~?あぁオッケー!行ってらー!」
「あっ...ルネクタ君...」
「スマンってッ!!!ルナさんを食事に誘ったことは謝るからッ!!!」
もちろんそんな横暴を許すはずも無く...ルナ信者の男子達がボッコボッコにするのであった。
「ルナ様が許してくるまで...僕らは殴るのを辞めないッ!!!」
っというように朝の交流時間を終え、今日依頼された「とある予定」を達成しに学園から出る―――
=《廊下にて》=
プルルル...プルルル...
「ん? 誰だ?」ピッ
「 「「おいルネクタァッ!今日の集合時間は9時だぞ?!既に15分遅刻だッ!!!」
「え?」
ポケットに入っている懐中時計を取り出して時間を見てみると―――
懐中時計「9:15」
「おっとマズい...すまん親父ッ!!!急ぐから少し待ってくれッ!!!」
「さっさと来いよ!!」ブチッ
【※実はノーシュは学業に関係ない事の時間管理が苦手】
「はぁ...はぁ...」
「やっと来たかルネクタ...まぁ良い、早速だが今日の依頼内容を伝えよう」
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...おっと、紹介が遅れたコイツは俺の親父でありながら学校の「学生食堂管理職」の「アルセニコ・フィト・シスタティカ」俺は「親父」と呼んでいる。
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「今日は4/7つまり何がある日だ?」
「...なんかあったっけ?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...全く、今日はアステリア国立魔法学園建造記念日だ!」
「あぁそうだっけ?すっかり忘れてた...」
「はぁ...まぁ良いそれじゃあアステリア国立魔法学園記念日に出す特別な『アレ』も忘れ...」
「それは『プロータ=アステリア』だよね?」
「キッショ何で記念食事だけは覚えてるんだよ...」
「...っとまぁ覚えてるならいいんだ、今日の午後8:00から販売されるそれまでに何とか間に合わせてくれ」
「分かった、午後8:00だな」
親父「あぁ頼むぞ」
これが...彼の『普通ではない』所であった―――
=⦅魔法・魔道具⦆=
・羽衣の魔法
『着ようと思った服を着ることが出来る魔法、魔力が眠気や驚きによって揺らいだ状態で発動すると変な感じに着てしまうため注意が必要。「既に着られている服」は着ることが出来ないので要注意』
=⦅食事・食材⦆=
・食事 陽光の鶏の卵サンド 【レア度 *☆☆☆☆ (0.2) 】【価格 300G】
『陽光の鶏』の無精卵を使った卵サンドその味は卵のフワっとした感じと肉のジューシーさが合わさったような味だという』
・食材 陽光の鶏の卵 【レア度 *☆☆☆☆ (0.2) 】
朝の4:00~5:30までしか活動しない鶏『陽光の鶏』の卵。火が通りやすくどれだけ時間が経っても熱々で美味しい味をキープするのと、卵から肉汁が出てきたと錯覚してしまうほどのジューシーさが特徴。鶏自体の味が気になる所だと思うが...鶏自体を食べるのには特殊な許可が必要なので諦めよう』