魔法学園の学食事情
=アステリア国立魔法学園=
それは、魔法が蔓延るこの世界で魔法による事件を防ぐためにアステリア魔法局が建造した学園――
僕の名前は「ルルーディ・ネクタル・シスタティカ」通称「ルネクタ」と言う。
アステリア国立魔法学園に通う極普通のただの2年生だ。
······極普通と言ったが、一つだけ僕には「普通じゃない」所がある、それは―――
――――――ジリリリ ジリリリ
朝の目覚まし時計の音とまだ微かに香る入浴剤の香り、それに合わせるように朝日が窓から入り込んでくる。
「······もう朝か」と、独り言を言いながらいつもより少し軽いがやはり重い足を浴槽から出し、準備をする。
「今日は授業休みだったっけな」「あれ?制服どこだ?」「あったあった」「羽衣の想着」
そんな独り言を話しながら自分の寮の部屋を出る。
「今日の日替わり朝学食何だろうなぁ」「······それにしても今日はやけにジロジロ見られるな」
心の中でそんな事を呟いていたらいつの間にか学生食堂「エスティアトリオ」に着いていた。
「すみません、「陽光の鶏」の卵サンドをください」
そうやっていつもの定位置に着き、食事をしていたら後ろから急に飛びつかれたかの様な衝撃が来た。
「ブフゥォオッ!!!」
「ちょっと······だれぇ?」
「エヘヘー私だよ!」
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後ろからいきなり本気で飛びついてきたコイツは俺の同期の2年生、名前は「ペタルーナ・ウラーナ・アネモス」通称「ルナ」と言う。
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「ザワザワ······ザワザワ······」
「相変わらずだけど······周りの男子からの眼差しが鋭い······」
そう、彼女は僕と同じ学生食堂で食事をする勢の一人なのだが、彼女が学生食堂で食事をすると知ってから急激に男子の学食利用者数が増加したくらい男子からとんでもない人気を博している人物なのだ。
「はぁ······」
面倒くさいな······と思った時、ルナが喋った―――
「······あれ?服の裏表逆になってるよ?」
「······え?」
今日は確かに目線が多かったかも······と思い出しながら魔法をかけなおす。
「ア、羽衣の想着!」
そう唱えた瞬間······なんと僕の服の上と下が逆転してしまった
周りの男子達は飲んでた飲み物を噴き出す······そりゃそうだろう、目の前の男がパンツを頭に被りながらズボンの腰を通す所に体を、足を通す所から腕を通らせていて更に制服のシャツの袖の部分から足を出してその服及びズボンの上から羽織りを着ているのだから······
「ア、羽衣の想着!!!」
周りの男子達は爆笑していて雰囲気が久しぶりに和んだ状態になった。
「ルネクタぁ······w さっきの格好······よかったぜ······w」
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そうやって話しかけてきたコイツは同じ寮に住む『一様』先輩の3年生「エダフォス・リパスマ・フロンティダ」通称「エフォス」と言う。
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「いやぁ······流石にちょっと寝ぼけすぎたなぁ······」
「お前さっきの上下反転衣装を普段から着用すればいいんじゃねえか?」
「絶対にイヤだ······!」
と他愛ない話をする―――
「あ、ねぇねぇルネk」
そう言いかけた時、背後からチャラそうな男子が声をかける。
「あ、ルナさん!こんな所で奇遇だねぇ!どうせなら僕と一緒に食事でも······」
「あ、えっと······その」
「あ、ごめんエフォス今日はそういえば予定があるんだった」
「ん~?あぁオッケー!行ってらー!」
「あっ······ルネ君······」
「スマンって!!!ルナさんを食事に誘ったことは謝るから!!!」
もちろんそんな横暴を許すはずも無く······ルナ信者の男子達がボッコボッコにするのであった。
っというように朝の交流時間を終え、今日依頼された「とある予定」を達成しに学園から出る―――
=《廊下にて》=
プルルル······プルルル······
「ん? 誰だ?」
「おいルネクタァ!今日の集合時間は9時だぞ?!既に15分遅刻だ!!!」
「え?」
ポケットに入っている懐中時計を取り出して時間を見てみると―――
懐中時計「9:15」
「おっとマズい······すまん親父、急ぐから少し待ってくれ!」
「さっさと来いよ!!」
実はルネクタは学業に関係ない事の時間管理が苦手だ。
「はぁ······はぁ······」
「やっと来たかルネクタ······まぁ良い、早速だが今日の依頼内容を伝えよう」
この人はお父さんで、学校の「学生食堂管理職」の「アルセニコ・フィト・シスタティカ」俺は「親父」と呼んでいる。
「今日は4/7つまり何がある日だ?」
「······なんかあったっけ?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ······全く、今日はアステリア国立魔法学園建造記念日だ!」
「あぁそうだっけ?すっかり忘れてた······」
「はぁ······まぁ良いそれじゃあアステリア国立魔法学園建造記念日に出す特別な『アレ』も忘れ······」
「それは『濫觴の星麺』だよね?」
「何で記念食事だけは覚えてるんだよ······」
「······っとまぁ覚えてるならいいんだ、今日の午後8:00から販売されるそれまでに何とか間に合わせてくれ」
「午後8:00ね、分かった」
親父「あぁ頼むぞ」
これが······彼の『普通ではない』所であった―――




