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頼ってください


現在、僕こと厳刃 幻は上咲さん家にお呼ばれして非常に気まずい空間にいる。

陰キャだって自覚はあったけどこんなに気まずいものかな?


「あの、、、厳刃さん?」


「はい?」


「お話を聞いてくれるという話では·······」


「あ。」


そう言えばそうだった!女の子の家に来て尋常じゃないほど緊張してて忘れてたけど、相談に乗るよ、って話だった!


「ごめん!ちょっと緊張しちゃってて。·····教えてくれないかな。嫌なら·····」


「嫌なら呼んでいませんよ。 私の家は、比較的裕福でしょう。母親は私たちの学校の理事長を、父親は貿易会社の社長を務め、家族仲は常に円満でした。

しかし中学校の頃、思春期ということもあり心身ともに、特に·······身体的に成長しました。その頃からでしょうか。男子生徒や男性教師に時折、ギラついたようなというか、全身を舐められているように見られるようになったのです。

夏場の頃は水泳の授業もありましたが様々な理由をつけ休んでいました。文化祭ではミスコンやメイド喫茶と称し、男子生徒は有り体にいえばいやらしい目で、女子生徒はざまあみろと言いたげな目で私を見世物にしようとしました。

中学生活を境に、私は一部の女子生徒と家族以外は信用出来ず人間不信に陥ってしまいました。今思えばこんな女ひとりで何ができるんだって話ですけどね。

この高校に入ったのもお母さんがこの学校で理事長をしているからです。生徒会が女性でまとまっているのもそのせいです。

生徒会長は別ですよ。あの人は私の従兄弟なのである程度信頼はできます。」


僕は、気づけば泣いていた。

なぜ何も悪いことをしてない上咲さんが苦しまなければならないのだろう。

なぜ何も悪いことをしてないのに思い悩み辛い日々を送らなければならなかったのだろう。

たしかに上咲さんは美人だし、スタイルもいいほうだろう。だが、それを免罪符にいやらしい目で見ていいわけがない。

「美人でスタイルいいから大丈夫」というのは個人の思想の押しつけであって絶対にやってはいけない。

それでどれだけ上咲さんが視線に晒され、苦しんだかも知らないで·······!


「どうでしたか···滑稽で───厳刃さん!?どうしましたか!?やっぱり不快でしたか?」


「いいえ、僕は、怒ってるんです。これまで上咲さんを苦しめ続けた人達に。それと上咲さんにも。」


「···え?」


僕は我慢しきれずに上咲さんをギュッと抱きしめた。


「ふぇっ!?」


「辛かったのになぜ頼らなかったのですか?頼る人は少なからずいたでしょう。なのにあなたは誰にも頼らなかった。だから怒ってるんです。」


「······すみませんでした。」


「本当に良かったです。過去のことでも、上咲さんのことが心配ですから。」


「ありがとうございます。」


「だからこれからはちゃんと僕に頼ってくださいね。」


僕は精一杯に微笑んだ。この笑顔も、今日笑えたのは上咲さんのおかげだった。

生徒会に入るのは不本意だけど、上咲さんが一人で抱え込まないか不安だし、入る以外の選択肢はないよね。


「はう·······わかりました。」


「·······?」


心なしか頬が赤くなっているがまあ、気の所為だろう。


「はい、言質はとったので明日からもよろしくお願いしますね。」


「あ、まだ帰らせませんよ?」


「え?」


「お父さんとお母さんに紹介するので。」


「What were you say?」


「I will introduce you my parents.」


「発音良。じゃなくて、え?紹介されるの?」


「もちろん。だってプロポーズされてそれを受けたんですもの。」




ぷろぽーず????

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