生徒会室
執筆たのちい
「……………?」
寝てたみたいだ。生徒会室で泣いて寝落ちって、これもう退学じゃない?終わった終わったはははははは。
ところで頭に感じるすんごいいい感触はなんですか?
「あ、起きましたか?」
「ぅあ?」
なんで僕の目の前に上咲さんがいるのですか?可愛いなぁ。って、撫でないで!恥ずかしいから!
「へぅぅぅぅぅ・・・・」
「ふふふっ️♡」
そういえばなぜ上咲さんはここに居るんだろう。生徒会役員に誘われたのかなぁ。うわっ!めちゃくちゃ似合うじゃん!
あ、新生徒会役員にセクハラしたとか退学確定だよ。両親にはどう話そうかな。話しは行ってるだろうけど故意じゃないってそこだけは本当だから言うべきかな。
「大丈夫ですか?」
自分が傷つけた相手に心配される、自分の中でさらに申し訳なさが膨れ上がる。
「すみませんでした。」
「え?」
「上咲さんを傷つけてしまい、すみませんでした。その、僕、知らなくて・・・」
「え?」
ああ、もう話す度に涙が溢れてくる。友達だと思ってたけど、向こうはそれ以上に嫌だったろう。そう思うと涙が止まらない。
「あの………ひとついいですか?」
「はい…………。」
なんだろう。賠償金とかかな。
「厳刃くん、なにか私にしましたっけ?」
「…………え?」
僕はしたよ。上咲さんを傷つけた。
「むしろ私の方が変な女とか思われてないかなーとか心配してたのですが………。」
「え?」
「そもそも………好きな人に何されても………」
「そもそも………なんですか?」
耳はいいのに肝心のところが聞こえなかった。
「なんでもありません!それより厳刃くんは何もしてません。むしろ友達と言ってくれて嬉しかったです。だからそんな後悔したような顔をしないでください。」
「……………」
「そんな顔をされたら、私も悲しいです。」
「………」
「というか、、私を傷つけた人に膝枕なんてしませんよ。」
そうか、僕の勘違いだったんだ。はぁ、良かった………って、膝枕!?え、ええ、ぇぇえええええ!!!!!?????
「すみません!!!!」
嫁入り前の娘になにやってんだ僕!これこそセクハラで訴えられるぞ!んん?なんで上咲さんは残念そうな顔を………?そしてなんで頭を引き寄せるんですかね?
「もう少し寝ていてください。まだ頭は痛いでしょう?そしてもっとさせてください。」
「そんな、申し訳ないですよ。」
「いいえ、拒否権はありません。膝枕させてください。もしくはしてください。」
「ナゼ!?」
なんでこんなに膝枕をさせたがるんだ!?そして僕の膝枕なんて要らないでしょ!しかも………上咲さんみたいに柔らかくないよ?むしろ固いよ?
「はあ、分かってないですね。もういいです。連絡先、交換しましょう?」
「え?そうなる流れなかったよね?」
「QRコードを読み込んでください。」
なんでほんとに交換する流れになったの!?作ったの!?流れを!?交換しちゃうよ?いいの?まあ、友達だしね!うん!友達だし、いいよね!………いいよね!?
『友達に追加しました。
上咲霰』
アイコンがうさぎだ。しかもアニメみたいな感じですっごい可愛いタイプ。
「うさぎ、好きなんですか?可愛いですよね。うさぎ。」
ボフッ…………
あれ?なんか真っ赤になって動かなくなっちゃった。どうしたのかな?
「あ、あーあ、ショートしちゃった。」
「仕方なく無いか?何せ想い人に『可愛い』と言われてしまったんだ。」
え、どこからか声が聞こえてきた。怖。
「呼ばれてとび出てジャジャジャジャーン!生徒会副会長の下野です!」
「会長兼下野の彼氏の南川だ。ちなみにそこの赤いのは理事長のご令嬢兼きみの………おっと言わないでおこうか。の上咲くんだ。生徒会の庶務にこれからはなってくれる。」
え?上咲さん、理事長の娘さんだったの!?育ちはいいんだろうなぁとかは思ってたけど、まさか理事長直々の子育てとは・・・理事長誰か知らないけど。
「早速だが・・・・厳刃 幻くん!君も、生徒会に入らないか?」
「・・・・え?」