いろんな君
みじかめ
霰視点
「(かわいい・・・)」
私が厳刃くんを初めて見た時、そう思いました。最初は女の子だと思っていましたが。よく見てみると、肩幅はそこそこ広くて体型自体はカッチリしてました。
気づいたら体が動いていて、あなたがタイプです宣言していました。無意識って怖い!
女の子と勘違いした時は苦笑してましたが、色々と話を聞くうちに共通の趣味を見つけました。読書です!
世の中で賛否両論あるNTRについて分かり合えたことが今世1番の喜びでした。
NTRはタケノコときのこ、夏と冬、山と海並に論争が終わらないものですからね。
最初は見た目で近づいていきましたが、性格も良さそうでした。やっぱりお近付きになるのならああいう人でないといけませんよね。
ん・・・?何か忘れている気が・・・あ。連絡を聞き忘れていました!
「厳刃くんは!?原住!」
「下校なさいました。電話で呼び戻しましょうか?」
「迅速に頼みます。」
ああ、危ないところでした。電話番号くらいなら生徒会室にある生徒名簿を見れば良いのですが、さすがにLINEのIDは書いてないでしょうし。よく気づきました。偉いです私!
あとは彼が来るのを待つだけです。
「へ?」
彼は入って来るなりわんわんと泣きながら土下座していました。
いじめではありませんよ!生徒会はホワイトです。
まあ、その生徒会役員の方々がひそひそと何かを話しているので余計不安になるのかもしれませんが・・・
「(泣き顔は滅多に見られるものではなさそうですし、しっかり目に焼き付けておきましょう。)」
これが厳刃くん以外のここにいるメンバーの総意です。
1年生の中でも2位の私を大きく突き放して1位の学力の上、小柄でカワイイ系イケメン、性格は◎。
身長以外に欠点が・・・いや、身長も彼を引き立たせる大きな要因の一つでもあります。
本人は気づいてないようでしたが、男女ともに彼についてずっと噂をしておりました。
『あれって男なの?女なの?』
『どっちにしても美人すぎじゃない?』
『理事長娘といい勝負するんじゃねぇか?』
『しそうww』
等々・・・。あの天使と私を一緒にしないで欲しいですね。彼は私と比べるのもおこがましいくらいの高潔な方なのですから。
幼いと言うより、どちらかと言うと中性的な落ち着いた顔持ちで、まつ毛は長め。ぱっちりと綺麗な二重にぷっくらとした唇。
少し上げられた前髪はおでこを見せて・・・語彙力が持ちません!
っていうかずっと泣いてますね。まあ、いつか寝落ちするでしょう。