表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/47

第四十三話︎ 始まり


「ワンズさん、頼みがある。」


単刀直入に面会者へと告げる。

その眼に迷いも、以前までの鋭さも無い。


「分かってるのかい空真くん。あと数日もしたら私も責を問われる。私たちのような組織に所属している能力者は安易に『世界改変』を使ってはいけないの。恐らく私の立場も無くなるでしょう。そのような私にできる事は当然限りがあるわ。」


「ああ・・・。俺は凄く無理を頼んでしまう。それであなたの身に何が降り掛かるかかも計り知れない。だけど・・・・、だけどやっと何かへと進んでいる気がするんだ。それを俺自身で潰したくない。」


「そうねぇ。その『頼み』によるねぇ。」


()()()()()()()()()()。」


「今すぐかい?もう少し、時間を待てば自然と出れる措置ではあるんだよ?」


「この『檻』から出ても、たぶん俺はまた別の『檻』・・・、『(しがらみ)』の中で生きる事になるんだと思う。それじゃあ何も変わらない。答えは『外側』にあるんだと思うんだ。」


「・・・ふふ。少しは道が見えてきたようだね。」


真剣な話の合間とは思えないとても朗らかな微笑み。

この人は怒りもしない。だからといって捨て置きもしない。そんな優しさを感じさせた。


「いや、見えてなんか無いさ。ただ、進み続けたい。そう思ったんだ。」


「そうかい。・・・そうかい。」


噛み締めるようにワンズは相槌を打つ。だがほんの僅かに手が動いたのを今の空真は見逃さない。

ゴトン。轟音に満たない重量の音、まるでそっと荷物でも置いたように『対能力珪素伝達壁(ガラス)』に丸穴を落とした。


「中東に行きなさい。あそこの支部の名前を出せば通れる。あそこはゴタ付いているからねぇ、きっと機関の人間は通れるよ。」


「すまない・・・。」


「私に出来るのはここまで。これ以上は空真くん、君の目で、心で見定めて選択しなさい。」


「・・・すまな・・・・、いや、ありがとう。」


微笑みながらワンズは『檻』を後にする。

ワンズは未来への希望を胸に、空真は未来への前身を心に。

2人はこの場を後にした。










「良いんですか?」


廊下に佇む少女。ツインテールは『魔女』の証。

西洋の黒歴史の中心にいた歴史の被害者。


「クラリッサ、あなたも此処を発つなら今よ。」


「私の帰る場所はココだけですから・・・。」


「私のことを少しでも考えているなら止めなさい。あなたは苦しんだの。これ以上茨の道を進むことは無いわ。」


「それでも、私はワンズ様に付いていきます。」


凛々しく、それでいて美しく背を伸ばす。


「そうかいそうかい・・・。じゃあ私も、まだ『彼ら』には負けられないねぇ。」


「ええ、『世界平和機関(われわれ)』は決して引きません。」


不死者2人。

彼女らは国連の国際司法裁判所(ICJ)による特例措置尋問を受けることとなる。

『司法』等と銘打ってあるが事実は違う。

行われるのは権力者による()()()()である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ