トリの故郷
トリと現が久しぶりに登場。
何やら、次の星を探している様子。
二人のやり取りに、何を見る?
「ここも、よくわからん。」
一人の悩む少女。
「ええーい、わからーん!」
少女の大声が響き渡った!?
遥か遠くまで、果てしなく続く広大な宇宙。さまざまな星が輝くその中に一人の少女が浮かんでいた。
何か大きな地図を広げて読んでいるようだ。首を傾げて読んでいる。何かを探しているが見つからないようだ。
「おい、現。」
宇宙に浮かんでいる一人の少年が、少女に話しかけた。
浮かぶ少女の後ろで、星がキラリと光った。
「トリ。だって、次にどこの星に行けばいいのかわからないんだもん。」
少年の名はトリ。白髪が目に掛かるぐらいまで伸びていて、襟足は肩にはかかっていない。そして、左腰に1本の剣を下げている。格好は、黒いシャツに黒いパンツで、白いマントを着ている。年齢は15歳だ。
少女の名は現幻。黒いロングヘアで、前髪が目の上辺りで揃っている。ピンク色のドレスに、白いタイツを履いている。年齢は14歳だ。
「・・・お前、地図の見方分かるの?」
「わかりましぇーん。」
現は地図をヒョイっと宇宙空間に捨てた。そのまま、スィーっとクロールして泳いで行った。
トリは、捨てられた地図を左手でキャッチした。
「よっと。」
トリは地図を見ながらゴロンと寝転んだ。
「ここでいいんじゃない?」
「どこ?」
現が地図を覗き込む。
大きな惑星、青い球体に緑の模様が縦横のラインになって入っている。その惑星の周りを白い雲が覆っていて、青い海も見える。小さな島が、所々に見えて、海の活動する様子を物語っている。
見とれる現にトリは何かを隠しているような表情で視線を逸らした。
「綺麗な星。」
「・・・。」
流れ星が一つ、二人の上を通過して、比較的遠くにあった虹色の星にぶつかった。虹色の惑星は半分に割れて二つとも無くなったようにみえたが、両側から生まれた星が合体し、また新たな虹色の星となった。
「俺の故郷だ。」
「え?」
トリはスクっと立ち上がり、ズボンを直しながら笑って言った。
現は、キョトンとしていた。
「どんなところなの?」
現は遠くを見つめながら、体育座りの膝の上に両手を乗せて、トリに質問した。
「行こう。」
トリはそう言うと、素早く現の手を握り締め、猛スピードで故郷である次の星に向った。
現は笑った。
トリはキリッと引き締まった表情をしていた。
星の手前まで来ると、急に停止した後、弧を描く様に飛び、地上に向かって飛んでいった。
それから二人が星の表面に着陸するのには、数秒もかからなかった。
星が見つかった。
トリの故郷。
次に待ち受けるのは、一体なんだろう?