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オズマ戦記  作者: 葱龍
六章 転生者大戦 激闘篇
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第七十八話「猛攻!暗黒球団の真価」

「ゴ…ゴンザがやられたー!!!」


慌ててバッターボックスに倒れるゴンザの下へ駆け寄るコウ達。

コウがゴンザの喉に手を当て、脈を確かめる。


「大丈夫なの?」とリゼルが問う。


「脈はあるけど、試合の続行は無理だな。残念だが退場せざるを得ない…」


「そんな…ゴンザはようやくみんなの役に立てるって張り切ってたのに!!」


退場、と言う言葉にエルは思わず反論する。


「俺だって辛い。だが本人がこれではどうしようもないんだ!

 そしてゴンザの無念を晴らす為にも俺達は勝たねばならない!!

 やるぞ、試合再開だ!!」


ゴンザが担架で場外へ運ばれると再び試合は開始された。

得点ではリゼル騎士団優勢だが、人数の上では不利な状況。

第二バッターとして立つエルは人数の不利を何とか乗り越えたい気持ちに駆られていた。

その為には相手ピッチャーの暴力的な魔球『コブラバイト』の攻略法を見つけ出さなければならない。


放たれた第一球。

先程と変わらないごく普通のストレート。

だがエルには秘策があった。


「ここだ…!!」


そう言ってバットを水平にして突き出すエル。

ボールは軌道を変えるより早くバットに命中し、一塁と二塁の間を滑空した後、地面を転がっていく。

コウは思わず立ち上がり、


「!そうかバント!!いくらあの凶悪な魔球と言えど変化が付く前に打たれては怖くはない!!

 考えたなエルのヤツ!」


バント。と呼ばれるその打法はバットを振らず水平に突き出す性質上

飛距離は伸びないが球の軌道さえ解れば速球でも確実に当てられると言う利点がある。

当然暗黒球団側は転がるボールを取らんと奔走するが、

エルの走る速度はそのボールよりも遥かに速く、打ってから一秒経つかどうかの間に一塁へと到着した。


「ぃよし!あいつ等エルの足の速さに困惑してる!!このまま更に点差を広げるぞ!!」


「点差を広げる?出来る物か…本気を出した俺達の前で…」


続いて第三バッターとしてマウンドに立つコウ。

打球はショートコースを抜け、コウが一塁へ、エルが二塁へ向け突き進む。

が、1番ライトの大文字が、


「喰らえ必殺日大タックル!!」


エル目掛け体当たり。

弾き飛ばされ宙に舞うエルにショートの流星の投げたボールが直撃。


「アウト!!」


「な、なんだ!?何を…」


エルがアウトにされた事にどよめくコウを地面スレスレを滑空する戸倶呂兄が襲う。


戸倶呂弟がその自慢の巨体と怪力を活かして兄を投げ飛ばし、コウの走塁を妨害したのだ。

戸倶呂兄弟はこれを「兄弟砲弾」と名付けている。


地面をワンバウンドし転げまわるコウに容赦なくボールが叩きつけられる!


「アウトー!!」


「ちょっと!今の明らかに反則じゃないの!!」


暗黒球団のあまりに荒々しいプレイにリゼルは憤慨し、審判に抗議する。

しかし当の審判は肩をすくめ、


「反則、と言うのは、タックルの方ですか?選手を投げつけた事の方ですか?」


「両方よ!両方反則だと言ってるの!!」


「そう言われましても…」


うやむやな答えで茶を濁す審判。

その様子を見るやツバキはリゼルの肩に手を置き、


「やめましょうリゼル。こんな対応する以上、もう何を言っても無駄よ」


「それじゃまるで…」


「そう。この試合、敵は暗黒球団だけじゃない。審判さえも敵に回っている」


ツバキは第三バッターとして登板するも

蓮司の腰だめの姿勢から両掌を突き出す独特のフォームから放たれる魔球「キャメヤメyeah」の前にアッと言う間に三振。

結局無得点のまま二回目の攻撃を終えるのだった。


当然この異様な投球フォームにリゼルは抗議するが審判はまたしてもスルー。

二回表に入ってからの暗黒球団のラフプレーの数々を流す審判の態度に対しコウは

「つまり何でもありのルールで良いんだな?後悔するなよ」と吐き捨て自分のポジションに付くのだった。


二回裏、一番バッターはキャッチャー羅偶守。

対するリゼル騎士団側のピッチャーはリゼルが続投。


普通に投げてもすぐに打たれるだろうとリゼルは考える。

あのルール無用情け無用のプレイスタイルは守備側に回っても貫き通してくる。

ならば、こちらも情け無用のやり方で行くべきか。


「イナズマ二号!!くっらっえぇぇぇー!!!」


リゼルの投げた球は文字通りイナズマの様なジグザグの軌道を描きながらキャッチャーミットへと迫る。

羅偶守はその不規則な動きに翻弄されバットを振る事が出来ない!


「ストライーク!!」


続く二投目!


「ストライクツー!!」


やはり羅偶守バットを振る事が出来ない!


「ストライク!バッターアウト!!」


結局羅偶守は一振りも出来ぬまま退場する結果となった。


「何やってやがる羅偶守!相手は素人なんだぞ!!」


ベンチに戻った羅偶守を村雨が責める。


「すみません。でも彼女もの凄く速くて打ちづらい球を投げるモンで…」


言い訳をする羅偶守に苛立ち胸倉を掴む村雨。

その一部始終を見ていた蓮司は村雨の腕を軽く掴むと、


「よせ村雨。あいつ等は確かに昨日までロクにバットを持った事のない素人共だ。

 だがただの素人とは訳が違う。奴らの潜在能力…桁外れな物がある!」


「なに!?では僅かな練習時間であれほどの実力を身につけたと言うのか!?」


「そうでなければ我々が連中の出塁を許す事などまず無かった…

 この勝負、一筋縄ではいかんぞ…」


その後も暗黒球団の激しい攻防に対し

リゼル騎士団は魔法を織り交ぜながら対抗。

三回裏で暗黒騎士団に一点が入ると両者同点のまま試合は九回目を迎えようとしていた…。



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