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オズマ戦記  作者: 葱龍
六章 転生者大戦 激闘篇
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第七十六話「開幕!熱闘野球対決」

「プレイボーイ!…じゃなかったプレイボール!」


試合前に逮捕されたぷくぷの代わりに背番号13番、剣道五段の流星剣を加え暗黒球団との試合は始まった。

暗黒球団側のピッチャーは伝士蓮司。対するリゼル騎士団側の第一バッターは…リゼル・ミァン・ルトヴァーニャだ!!


「頑張れおねーちゃーん!!」


「かっ飛ばせー!!!」


ベンチから木霊する仲間の声援を受けながらバットを構えるリゼル。

その何処か自信なさげな様子に蓮司は、


「フッ…まさかお嬢さんを相手にする日が来ようとはな…。

 選手としてではマウンドに立つのなく、チアガールとして客席で応援していた方が良かったのではないか?」


「御冗談を。戦場に男も女も無いのと同じように、マウンドに立った以上私は女である前に1人の選手。

 嘗めた態度は却って無礼と言う物よ」


「頼もしい限りだな。では遠慮なく投げさせてもらう!」


投げられた第一球!

内角やや高めのストレート。球速はやや遅め!

リゼルは難なくこれを打ち、一塁を抜けあっと言う間に二塁へと歩を進めた。


「ぃよっしゃぁー!!」

「まずは先制点いただきですね!!」


開幕二塁打と言うリゼル騎士団の先制攻撃を許したにも関わらず蓮司は投球前と変わらぬ涼しい顔のままだった。


「フフフ…そうやって笑っていられるのも今の内だけだ…。

 何せ貴様たちが神の恐怖を味わうのはまだこれからなんだからな」


暗黒球団の真意も知らぬまま第二バッターのゴンザ、第三バッターのツバキが立て続けにヒットを重ね

あっと言う間にリゼル騎士団が3点を獲得。1回表にして早くも暗黒球団をリードする事となった。


第四バッターのコウがマウンドに立つと、暗黒球団の監督に変化が。

蓮司の名を呼ぶや水平に伸ばした右腕を曲げ伸ばしすると言う奇妙なハンドサイン。

しかしハンドサインと言うのはごく一部にだけ通じれば良い物。

監督のサインを受けた蓮司はコウ目掛け投球!!


内角ストレート。いける!

コウがそう思いバットを振るった瞬間、ボールは急にガクンと落ちる様にその軌道を変えた!

そのままキャッチャー羅偶守のミットに吸い込まれるボール。


「ストライーク!」


リゼル球団初のストライク。

だがコウは投げる瞬間の相手ピッチャーの目つきや投球フォームの僅かな変化を捉え、痛感していた。


「俺達は点を取ったんじゃない…。あいつ等に点を与えられていたんだ……!」


「驚いているようだな。ならばもう一つ良い事を教えてやろう。

 俺はまだ全力を出してはいない」


「なっ…!?」


続く二球目!今度は大きく弧を描くカーブボール!!


「ストライクツー!!」


三球目!!

ストレートの剛速球には何とか当てられたが、打球はすぐにショートに捕られ敢え無くワンアウト。


「何やってるのよコウ!!あんただけアウトになって!!」


一塁に出る事すら無くアウトとなったコウをリゼルが責め立てる。

コウは目を伏せたまま、


「あいつの投げる球、急にキレが良くなった…」


「そんな言い訳、通用すると思って?」


コウは反論しかけるが、やめた。

今ここで口論して不必要に体力を消耗するより守備や次の攻撃に備えた方が良いと考えたからだ。


しかし少しだけ本気になった蓮司の放つ球を前にモヨモトもエルも成す術がなく、あっと言う間にスリーアウト。

暗黒球団の攻撃となった。


暗黒球団第一のバッターは背番号9番、村雨憲吾だ。

機動隊員特有のただならぬ覇気がピッチャーとしてマウンドに立つコウを圧倒する。


「かっ飛ばせ」と言う敵の応援と「打たせるな」と言う味方のゲキが入り混じり

コウに更にプレッシャーを与える。


「打てだの打つなだの好き勝手言ってくれてよ…。良いぜ、いきなりだが特訓の末に編み出した魔球を見せてやる!」


コウは左脚を頭上高く振り上げると、


「必殺!メテオ魔球ー!!」


ボールを掴む右腕を大きく振りかぶり、そして投げる。

メテオ魔球と名付けられたその球の速さたるや凄まじく、一瞬にも似た速度でキャッチャーミット…

ではなく村雨の頭部に直撃した。


「デッドボール!!」


忌まわしそうにコウを睨みながら一塁へと向かっていく村雨。

メテオ魔球とはその速さ故に名付けられたのではなく、

軌道が飛来する隕石の様に完全に予測する事が出来ない為に名付けられた魔球なのだ。

当然キャッチャーミットに収まる確率は低く、むしろファールかデッドボールになる割合の方が高い。


「なーにやってんのよコウー!!」


リゼルが怒るのも無理はなかった。

信販との話し合いの結果メテオ魔球は使用禁止。

止む無くコウに代わりリゼルがピッチャーとしてマウンドに立つ事となった。


対する暗黒球団の第二バッターは背番号6番、ショートの戸倶呂兄だ。

長身痩躯を絵に描いたような出で立ちでフラフラとバットを構える姿は何処か不気味だ。


「フッ…」


戸倶呂兄がリゼルを見やり嗤う。


「な、何よ…人の顔見て笑ったりなんかして…」


「俺の相手がこんなお嬢さんとはと思ってな」


「バッ…馬鹿にして!その言葉今に後悔させてあげるんだから!!」


リゼルは片足を上げ、右腕を振りかぶって、第一球を投げる。


「ハハハハ!随分威勢のいいお嬢さんだ!」


ボールは稲妻の如き素早さを以てキャッチャーミットへと吸い込まれた。


「このまま村雨と併せて二点を取らせて」


「ストライーク!」


「…え?」


リゼルの投げた球の余りの速さに戸倶呂兄は驚きを隠せずにいる。

あんな華奢な体格から何故あんな速い球を投げられるのかと言った感じの表情だ。

リゼルはそんな戸倶呂兄を見てフッと笑うと、


「言ったでしょ?その言葉後悔させてあげるって」



勝負はまだまだ一回の裏が始まったばかり…長い!

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