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オズマ戦記  作者: 葱龍
六章 転生者大戦 激闘篇
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第六十五話「激突する二人の転生者!天はどちらに味方する!?」

9100PV突破いたしました!

10000まであと少し!!

宮殿から、兵舎から、酒場から、

バグダダの至る所から兵士が現れリゼル騎士団の立つ時計塔を取り囲んでいく。


「戦力差は800対7…100倍以上じゃないの、勝てるの?」


エルが(おびただ)しい数の兵士を見下ろしながら言う。


「たとえ向こうの方が数が上でも、ダンゴムシ800匹とライオン7匹とじゃライオンの方が強いに決まってるし」


エルは得意げに語ってみせた。


「勝てるの?じゃなくて勝つの。ここで負けたら、エタニティを倒そうだなんて夢のまた夢。でしょ?コウ」とリゼル。


「勿論だ。本当の敵を…アルバスを倒すまで、俺達にはもう敗北は許されない。行くぞ!!」


コウ達は一斉に時計塔から飛び降り、落下の勢いを利用して

コウが急降下パンチを、リゼルが膝蹴りを、エルがストンピングを神帝軍の兵士に叩きこみながら着地を決める。


一斉に襲い来る兵士達を回し蹴りと空気投げでいなしながらコウは、


「殺す事にこだわるな!動きを止めるだけでいい!!」



シド目掛け斧を振りかぶるモヒカンの兵士。

シドは振り下ろされた斧を自身の棍棒で受け止め、回転させて斧を受け流すと、

モヒカンの頭を棍棒で二、三度叩き昏倒させる。


更に兵士三人が槍を手にシドに襲い掛かる。


「ハァッ!!」


シドが左手を振ると、地面の一部分が隆起し、巨大な手となって兵士達を押し潰した。

土掌(アース・パーム)

土を掌状に変形させる、地属性の魔法。

相手を押し潰すほかにも、防壁代わりにしたり、足場にしたりなど高い汎用性を誇る、

シドの得意とする魔法の1つだ。


「すげぇなお前、魔法使えたんだ」


依然十字架に磔にされたままのテリブル・デッドが驚嘆する。

シドは棍棒をクルリと一回転させ、


「そりゃ使えますよ。今まで使う必要が無かっただけで」


「ところでさお兄ちゃん、頼みたい事があるんだけど…これ解いてくんない?」


シドはやれやれと言わんばかりに首を振るとテリブル・デッドを縛っていた枷を棍棒で叩き壊す。

腕と首を回し体をほぐすとテリブル・デッドは、


「ふ~っ!ありがとよ兄ちゃん!」


そう言いながらシド目掛け発砲

銃弾はシドの右頬を掠め、

その後ろでシド目掛け弓を構える弓道警察を撃ち殺した。


「ど、どうも……」


「なーに。これで貸し借りなしだ」



兵士と兵士の合間を縫う様に駆け抜けるエル。

右へ左へとジグザグに動き回りながら手裏剣を投げつける彼女に

神帝軍の兵士達も翻弄されっぱなしだ。


「こんのっ!止まれ!!」


弓道警察が矢を放つが、矢は空しく空を切るのみ。エルには掠りもしない。

それどころかエルが弓道警察の背後に立ち、


「止まったけど」


短刀で弓道警察の首を切り裂き、弓と矢の残った矢筒を奪い取ると、

膝立ちの姿勢になり弓を構え、矢を放つ。

矢は弓道警察の左膝を射抜き、バランスを崩した隙をついてエルが肉薄。

顔面目掛け真空跳び膝蹴りを叩きこんだ。



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リゼル騎士団と神帝軍の戦いをじっと見据える人々。

その中に十字架から解放され避難していたバーテンダーの姿もあった。

その圧倒的な力で神帝軍を圧倒するリゼル騎士団の姿に、

1人の少年が「頑張れ」と声援を送ったのを機に町の人々の眼は少しずつ生気を取り戻していく。


しかし個々の能力ではリゼル騎士団の方が勝るが数では依然神帝軍が有利。

5人倒せば別の場所から10人が援軍として現れ、10人倒せばまた別の場所から20人が援軍として現れ、

神帝軍の数は鼠算的に増えていく。


「くそっ!やはり数が多すぎる…」


「このままじゃいずれあいつ等も……!」


だがコウ達は、リゼル騎士団の眼は敵が増えてもなお諦めた様子を見せない。

そんなコウ達の様子を垣間見たバーテンダーは強く拳を握り締め、


「なぁみんな。他所者(よそもの)の彼等が俺達の為に戦ってるって言うのに、俺達は何もしなくて良いのか?」


「え?」「それどういう意味だ?」


「ルスナで生まれルスナで育った俺達が、この国の未来を赤の他人に任せて、それで満足できるのか?

 俺達も戦うんだ…!そして神帝に見せてやるんだ!!俺達がやられっぱなしじゃないって所を!!!」


バーテンダーは散乱した武器の中から剣を拾い上げると、雄叫びを上げながら神帝軍目掛け突撃していった。


「お…俺達も……!!」「やろう!」「ルスナの…子供達の未来のために!!」


他の人達も一斉に武器を取り神帝軍に立ち向かっていく。

その様子をコウは驚きと感銘の入り混じった表情で、豊太郎は不愉快そうな顔で見つめていた。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



「ルスナの人達が…戦ってる……!誰でもない、自分たちの為に…!!」


「クズどもが。一丁前に逆らいやがって…。」


豊太郎は怒りを露わにすると自ら玉座から立ち上がり、コウ達と同じ目線までゆっくりと降りていく。

その様子に神帝軍の兵士も、ルスナの町の人々も戦いを止め豊太郎を注視する。


「おお…」「神帝さま自ら……!」


「このルスナの奴らはつくづく愚かだな。俺に搾取されるだけの家畜の分際で主に逆らいだすのだからな。

 牛や羊の方が己の立場を弁えているだけ立派だぞ」


「家畜じゃない。彼等は人間だ…!泣いたり笑ったりできる、お前と何ら変わりのない人間だ!!」


ルスナの人々を家畜と蔑む豊太郎にコウは怒りを露わにするが、

豊太郎は冷ややかな表情を崩すことなく、


「ふざけるな。俺は神帝、神をも凌駕する存在。

 それをこんなクズ共と同列に扱うなど、言語道断よ」


豊太郎の傲慢な態度にコウは顔を伏せ、


「………そうだな。お前と何ら変わりないなんて、俺は飛んだ思い違いをしていたよ…。」


そして再び顔を上げ、豊太郎を指さすと、


「お前は神をも凌駕する存在でなければ人間でもない!!

 人を食い物にする害虫だ!!!決着をつけるぞ、スマホ太郎!!!!」


コウは背中から聖剣を抜き、その切っ先を豊太郎に向け言い放つ。

同時に町の人々からは歓声が沸き上がった。


聖剣を振りかぶりながら豊太郎目掛け突き進むコウ。


「ふんッ、馬鹿の一つ覚えに突撃か。小妻コウッちっそ…」


豊太郎が窒息と言いかけた瞬間、一発の銃弾が豊太郎の頬を掠め、

更に火の玉と氷塊が豊太郎目掛け殺到する。

豊太郎はこの二つを右に避ける。


「お前は1つ見落としている様だから言っておく」


コウの言わんとしている事をテリブル・デッドが引き継ぎ、


「お前と1対1で戦うなんて誰も言ってない」


「へぇ…よってたかってって訳だ。俺の異能の対策もしてきてるみたいだな」


「当然だ。お前の力は一個人が持つには危険すぎるし許されないし、

 そもそも対策しなきゃお前を叩き潰せないからな」


「別にお前等の安全とかどうでも良いし、叩き潰されたいとも思わない。

 けどね」


豊太郎の後ろからツバキが斬りかかるが、豊太郎の背中に現れた塊に阻まれた。

身の丈程もある大きさで、三日月状の刃を備えた黄金色の塊……斧だった。


「そっちこそ、俺が丸腰で戦うとは限らないと言う事を見落としてる」


「な…!?」



「神器『閃斧ガラハッド』。こいつの一撃は……死ぬほど痛いぞ」

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