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オズマ戦記  作者: 葱龍
四章「神秘と鋼の都 大和」
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第四十七話「パシフィック・ファイト アップライジング」

ガンダイオーから見て右側から巨大な骸骨型の魔物デスケルトンが右手の鎌を振りかぶりながら襲い掛かる。


「シャァァァッ!!」


勢いよく振り下ろされる鎌。

しかしガンダイオーはデスケルトンの方を振り向く事なく右手の人差し指と中指で挟み込んで鎌を受け止め、左ストレートをデスケルトンに叩きつけた。

大きく吹き飛ばされ、殴られた顎を歪めるデスケルトン。


「凄い…想像以上のパワーだ」


ガンダイオーと同等かそれ以上の巨体を持つデスケルトンをいとも容易く吹き飛ばすそのパワーにコウも思わず狼狽する。


「10万年以上前に、キングヒドラと戦い封印できたのも納得ね」


とリゼルもやや自嘲気味に笑う。


「ところで、こいつの武器はなんだ?何で戦うんだ?」

「待って。今どんな武器があるか調べてる…」


ツバキがコンソールパネルを操作すると、パネル上に文字列がカタカナ表記で表示される。


「出たわ。これが多分、このロボットの…ガンダイオーの武器」

「多いな…。この武器の数、さしずめ『ガンダイオー26の必殺武器』と言った所か。」


大和国防軍で正式採用されているロボ「10式」の武装がアサルトライフルと専用ソード、専用グレネードの三種であり、

それと比べると10倍以上に及ぶ武器数は(かえ)って持て余す物なのだが、


「…使いこなしてみせる!!まずは!」


コウが操縦桿を押し込みながら、


「ジェットナックル!!」と叫ぶとガンダイオーの右肘から先が勢いよく切り離され、ジェット噴射でデスケルトン目掛け一直線に突き進む。

デスケルトンは頭を粉々に粉砕され絶命。打ち出されたガンダイオーの下腕は弧を描いて旋回した後再び右肘へと収まった。


それまで我が物顔でシンジュクの街を破壊して回っていた魔物たちもガンダイオーのパワーに狼狽え、背を向け逃げだそうとするが、

キングヒドラは逃げようとする魔物たちを睨むと、


「何処へ行こうと言うのだ貴様ら?」

「あ、あんなのと戦ったら命が幾つあっても…」

「世迷言を。貴様らのとる道は敵に背を向け我に殺されるか、敵を殺すかの二つだけ。

 逃げおおせるなど不可能と知れ」


魔物たちはキングヒドラの放つ威圧感に恐怖し、振り返ると雄叫びをあげガンダイオー目掛け猛進する。


「こちらに接近する魔物!数30!!」

「敵も一枚岩では無いらしい…だがこっちが負けて良い理由ではない!!ガンダイビィィィィィム!!!!」


ガンダイオーの額から発射された光線が魔物達の身体を貫く。

左上からガンダイオーを襲う炎。

レッドドラゴンの炎のブレスだ。


「ガンダイッバリアー!!」


ガンダイオーが左手をかざすと炎はガンダイオーの手前で止まり、グルグルとうねりオレンジ色のエネルギー球へとその姿を変える。


「ガンダイィィィ…」


ガンダイオーはエネルギー球を放ると、弓を引くように右脚を振りかぶり、


「シュゥゥゥーット!!!!!」


勢いよくエネルギー球を蹴り飛ばした。

大きくその形を歪めながら右へ左へ、上へ下へと不規則に動き回りながらエネルギー球はレッドドラゴンの腹部を抉り、貫通する。

爆発四散するレッドドラゴンの更に上方から降り注ぐ稲妻がガンダイオーを直撃。


「ぐああぁぁぁぁ!!」

「上空に生体反応!距離1500、数300!!」


リゼルの状況報告を聞きつつ真上を睨むコウ。

コウとしてはこちらが手も足も出せない所から一方的に甚振られるのは良い気分では無いし、

これ以上集中砲火を浴び、自分達だけでなくシンジュクの街にも甚大な被害が出るのを避けたいと言うのもあった。


「飛ぶぞツバキ!」

「ええ。正直今でも怖いけど、みんなと一緒なら私は飛べる!」

「良く言った!!」


バックパックと脹脛(ふくらはぎ)のスラスターを全開にし空高く舞い上がるガンダイオー。

上空に蒼いワイバーンの群れを捉えるとスラスターの勢いを乗せワイバーンの一体目掛け急上昇(・・・)パンチを放つが、

ワイバーンは軽やかな身のこなしでそれを躱し、パンチは空を切る。


「ガンダイビィィィム!!」


振り向きざまにガンダイビームを放つがやはり躱される。


「速い!?」


狼狽するリゼル。


「点を狙うのがダメなら、面で狙う!ガンダイィィィ…」


ガンダイオーのバックパック、肩、腕、脚のミサイルハッチが次々と開き、

コクピット前面のメインディスプレイに表示されたロックオンマーカーがワイバーン一体一体を捉えていく。


「サァァァァァアーカスッッッ!!!!!!」


無数のミサイルが発射され、ワイバーン目掛け飛翔。

ワイバーン達は回避運動をとり、一つのミサイルを避けるもすぐに別のミサイルが直撃し、成す術なく撃ち落とされていく。

爆炎を上げバタバタと墜落していくワイバーン達。

かなりの数の敵が撃墜されているが、まだ全て倒し切った訳ではない。

更に巨大なガーゴイル像がガンダイオー目掛け上昇する。


「ガンダイッッッ」


ガンダイオーが両腕を上げガッツポーズを取り胸を張る。

するとその胸部が赤く発光し、


「ファイィィィィヤアアァァァァァァ!!!」


胸部から真っ赤な熱線が放たれガーゴイル像を呑み込んでいく。

石膏にも大理石にも似た肌が灼かれ、グズグズに溶けていくがそれでも熱線の勢いは止まらない。


「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉ!!!!!!!」


ガンダイオーはガンダイファイヤーを照射したまま90度振り向き、残る魔物を薙ぎ払う。


「シャッテ!敵の残りは幾つだ!?」

「一番の大物を除けばあと20!」

「上等ォ!!」


ガンダイオーは再び地上に降下し、残る魔物の掃討を開始しようとした時、


「ブォッフォッフォッフォ…!」


巨大なキノコ型のグロテスクな魔物「オッゾマッシュ」が真後ろから飛びかかり、羽交い絞めにすると、

ゴリラの様な身体とワニの様な頭を持つ「ゲーターバック」がガンダイオーを殴りつける。

ガンダイオーのコクピットがパンチの衝撃で激しく揺れ動く。


「ああぁっ!!」

「こ…のぉっ……!!」


ガンダイオーがかろうじて動かせる両下腕を頭上に掲げると、その両手目掛けて雷が降り注ぐ。


「ガンダイ…サンダーブレイカァァァァァァーッッ!!」


雷を纏わせた腕を振り下ろすと、弾ける様に雷が放出される。

雷はオッゾマッシュとゲーターバック、そしてビルの隙間を蛇のように掻い潜り今だ地上を跋扈していた魔物たちを直撃する。

衝撃でオッゾマッシュは思わずガンダイオーの拘束を解き、そのまま後方へと吹き飛ばされた。

雷が止むと目の前には黒焦げになったゲーターバック、見渡すと同じく身を焼かれた魔物の姿。


「やったの…!?」

「それダメなフラ…」


「ブォッフォッフォッフォ!」


それダメなフラグ、とコウが言いかけた瞬間、

雷で身を焼かれながらも尚生き残っていたオッゾマッシュが再び掴みかかる。

ガンダイオーはオッゾマッシュの頭を掴み、背負い投げの要領で空高く投げ飛ばすと、


「ガンダイキャノンッ!!」


バックパックの装甲が展開し、砲身が二門240度回転し、更にスライドして伸長すると、

そこから電磁加速を受けた徹甲弾が発射される。

徹甲弾はオッゾマッシュの皮膚を、肉を容易く貫き腹と胸に風穴を開ける。

身体に穴を開けられたオッゾマッシュは地面に落下するよりも早く爆発四散。


ガンダイオーが踵を返し、合体直後から悠然とした態度でこちらの戦いを見据えるキングヒドラを見やるとコクピットのコウは、


「残りはお前だけだ」

「フン…準備運動にしては物足りなかったかな?」


キングヒドラの無数の眼が笑みを浮かべるかの様に歪む。

その様子を真正面から見据える事となったコウ達に怖気が走るが、ここまで来て逃げ出す訳にはいかない。

ガンダイオーは身構える。

10万年越しの対決を制する為、街と人々を守る為に。


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