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主人公学園  作者: 幽夢
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第四話

世界観についての話をしていなかったので前書きを活用させてもらいますね。

魔法と科学の両方が発達した時代で戦争においても兵の量より質が重んじられるようになっています。他にも陰陽道や超能力、死霊術など様々な能力を持つ人間が存在しており武道大会(実際には異能も飛び交いますが)のようなものも開かれています。

主人公たちの学校は主人公としての能力を持つ者しか入学ができない精鋭揃いの学校と言えます。覚醒していない系主人公ややれやれ系、俺つえー系や策士系など主人公と言っても多種多様ですね。余談ですが生徒の8割くらいは特徴的な髪をしていたり全員がそれなりに見栄えのする容姿をしているというイメージを筆者は持っています。

 土御門陽明はただひたすらに驚いていた。まさか半身を消されてなお生きているような者が存在するなんて思っていなかった。決して自分が最強だなんて思い上がったことはない。しかしそれでも最強に近い存在だと思ったことはあった。


その希望はある一人の男によって砕かれた。東雲京介だ。その強さはまさしく最強だった。そしてその強さはあまりにも陽明のそれとはかけ離れたものだったのだ。少しでも力の秘密を知りたいと思い話しかけてみることにした。


「なぁ、さっきのって何なんだ?」


「服の修復はさっき言った通り土の神話級魔法だよ。」


「錬金術か・・・賢者の石ってやつは作れるのか。」


陽明は冗談半分で尋ねてみた。その答えは想像もしていなかったものだったが。


「ああ、作れるよ。というか俺の肉体再生はそれが種だしね。」


驚いたが辛うじてそれを表情に出さずに再び尋ねる。


「ほーほー、で、賢者の石はどこに?」


「体内だよ。常に無限の再生力が供給され続けてるんだ。」


「つまりそれはあなたを殺すには賢者の石を壊すしかないということですの?」


突然会話に乱入してきた三千院美冬のことも陽明は把握していた。身体能力に優れた剣士で特にカウンターにおいては右に出るものはいないと言われていてそのカウンターは幼い頃から音速反撃(ソニックカウンター)として畏怖されているといった情報がとっさに脳裏に浮かぶほどには。


「そうなるね。でも残念なことに俺の肉体そのものが賢者の石って言っても過言ではないほどに同化してるんだよね。10年も経てばそうなるものなのか。」


現在の京介は15歳のはずだ。その10年前となると・・・。


「聞き捨てならんこと言ってくれたねぇ。5才にしてそんな化け物じみたことができたってことか?」


「ん、まあ。そもそも今の方が弱体化されてるし。父親にね。」


何と幼少期の方が強かったとでも言うのだろうか。


「東雲を弱体化するなんてどんなお父上なんですの?」


無限呪縛(インフィニティカース)、東雲透だよ。」


その名前には聞き覚えがあった。自称情報通の陽明は東雲透についての情報も瞬時に思い出すことができた。


無限呪縛(インフィニティカース)、彼の唯一使用できる魔法であり異名でもある。思い描いた呪いを作ることができるが代償として自分もその呪いを受けることとなる。彼の受けた呪いを全て食らえばまず死ぬだろうと言われているが自身はなぜかそれを免れている。ってところか。」


「土御門は詳しいんですのね。」


そんな言葉で陽明は自称情報通として喜んでしまう。


「呪いなんて名ばかりで自分に都合のいい効果も付与できるんだから。例えば俺にかけられた呪いは総魔力量の制限、封印に近いか。と、とある魔法を使おうとすると魔力が空になるってものなんだがそもそも二つともあの人には影響がないんだ。俺ほどの魔力を持っていないしとある魔法っていうのも使えないからな。使用魔力を減らす呪いなんてトンデモ自己強化みたいな呪いもあるらしい。」


なんだ、それは。チートじゃないかという考えが頭に居座る。てっきり自分の呪いに蝕まれながらも耐えつつ頑張っているものだと思っていたのだ。しかしその発想の転換は柔軟性のある思考力のおかげでありイメージと違ったからと言って失望するほどでもない。


「強化と弱体化を単一の魔法で行えるのか。作った呪いを相殺する効果の呪いを作れば全く影響は受けないな。デメリットがデメリットじゃなくなってるのが異常だ。」


「デメリットと言えば確実に体に負担はかかってるだろうね。常に数百の呪いを発動しているんだから。」


それもそうか。呪いの維持にも魔力は使う。ずっと垂れ流しだなんて相当にきついだろう。


「何かお父上の話が圧倒的過ぎて忘れてましたが東雲の話ですよ。なぜ封印などされているんですの?」


「東雲家は少々特殊で強いけど明らかに危険な能力を持っている人が多いんだ。父だって十分に危険なんだが俺の神話級魔法だってかなりやばい。二人は万物の根源(アルケー)って聞いたことあるか?」


危険な能力と聞いて不可触者(アンタッチャブル)、東雲愛華を連想する。東雲愛華は東雲家の娘で触れた者を腐食させるという脅威の異能を持つ文字通り触れられぬ者(アンタッチャブル)だ。恐らくは京介の姉か妹にあたるのだろうと当たりをつける。


「確か哲学用語で水だと言われてるとか何とか。」


「うん、その認識で間違いではないね。水かもしれないし違うかもしれない。というか土御門は水から木を創り出したりできそうだが。とにかく俺は万物の根源(アルケー)を創り出せる。」


ここで陽明は自分が陰陽師の家系だとバレていたのだと悟る。


「あの、それって自分は万物創造の能力を持っていると言っているようなものですわよ?」


「まぁね。封印されてるのはその力の一部でね。生命創造と万物破壊。」


「生命創造は分かるが万物破壊もできるものなのか?それに俺は五行相生を体現したりはできないしなぁ。」


これは事実だった。昔から天才と評価されていた陽明ではあるがそんなことは不可能だった。

「万物創造ってのは全てを創り出す能力のことだ。逆の方向から読めば万物の設計図には万物を万物の根源(アルケー)に戻す方法すらも見出だせる。それが俺の万物破壊だよ。」


「なんですのこの主人公は。絶対に殺せる気がしませんわ。」


全面的に同意だった。

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