第一話
俺の名前は東雲京介、今日から私立主人公学園高等部に登校することになった15歳の男子だ。
変な名前の学校だと思っただろう。主人公学園とはその名の通り主人公のような資質を持った学生を集めた学校だ。毎日のように何かが学校に攻めてくるし異世界転移をしたことがある人が70%ほどもいるらしい。
主人公と言っても色々で弱いけど素質がある者、チート級の身体能力を持つ者、魔法に長けた者、異能を持つ者など様々だと聞いている。
入学式では新入生代表や生徒会長、理事長からの話があった。ちなみに生徒会副会長さんはとても美人だった。主人公ばかりだというから男が多いものだと思っていたが女子もしっかりといた。
「全員席につけー!」
・・・担任か。
「まぁとりあえず定番のアレいっとくか。自己紹介。」
とりあえずって何だよ。まぁこんな学校だし退屈しない自己紹介になりそうだな。
「朝倉進だ。能力無効化の異能を持っている。まぁみんなと違ってそれ以外は普通のスペックだから気軽に話しかけてくれ。」
「飯野紗希です。異世界に行って何回か世界救わせてもらってます。精霊魔法使えます。」
こんな風に能力紹介が出るところが面白いと思う。みんな話すネタには困らないだろう。ちなみに精霊魔法というのは精霊と契約することで精霊の魔法を扱う魔法の体系のことでありつつも精霊の使う魔法そのもののこともさす。
数人の自己紹介が終わりいよいよ俺の番だ。
「東雲京介です。魔法使いやってます。魔力量には自信があって今まで一回も魔力切れになったことはありません。得意属性は土・・・いえ、土属性しか使えません。」
「土属性だけだと...?」「そんな人もいるんだ。」というような声が聞こえてくる。それもそうだ火水風土雷光闇の属性の中で最弱とされるものだからだ。基本的に物理攻撃と同じというイメージが定着している。そしてそのイメージは半分は正しい。基本的には岩をぶつけたり地形を変化させたりということしかできない。
俺に言わせるとそういうわけでもないんだけどな。そしてついに新入生首席の番がやってきた。
「日比谷流星だ。勇者をやっている。光と雷の魔法はそれなりに使えるし身体能力にも割と自信がある。これからよろしく。」
魔法は下級、中級、上級、法王級、自然級、神話級に分類される。しかし法王級以上を使える人はそうそういないので一般的には上級が最上位だとして問題はない。この学校には法王級以上を使える人は多いだろう。ちなみに精霊魔法は二階級上がる。つまり精霊魔法の下級は上級、上級は自然級に当たる。
前置きが長くなったが自信があると言う以上法王級は当然使えるだろうということだ。
自己紹介が終わったころに外の方で騒がしい音が聞こえてきた。
「あー、いつものか。気にすんな。上級生に任せとけ。」
そう言う担任のケータイから着信音が鳴る。
「え?はい、はい、わかりました。」
「何だったんだ。」
おい、教師にタメって主人公属性強すぎだろ、誰だっけ?小鳥遊だったかな。
「ああ、これなんだがお前ら一年生に対処させてみろってことだ。理事長直々のご用命だぞ。」
「「「「「「「「「「やれやれ、俺の出番か。」」」」」」」」」」
ねぇ、やれやれ系多すぎない?まぁ・・・行くか。