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初めての感触

図書室へとやってきた。後ろには玖波と虎姫もいる。

チラリと後ろに目を向けると、何か言っていたので近付く。

「何言ってんだ? 聞こえないんだけど」

「早く開けろって言ってんの!」

すぐに図書室前に戻り、扉を開ける。

「・・・来てくれないかと思った」

「あー、えっと、忘れてたわけじゃないんだけどさ。まあ、その、遅れてごめん」

「んーん。来てくれただけでも嬉しいよ」

太陽が傾きかけている。オレンジ色の日差しが図書室に差し込んでいる。


「要件って、何? 僕も早く帰ってゲームしたいんだけど」

「はあ・・・溝呂木くん、本当に今朝の私の言葉聞いてた? 世界が崩壊するから、一緒に戦ってくれって話だよ。溝呂木くんが最初の契約者だから私は安心してるよ」

「えっ」

契約者・・・? 何のことだ?

「ほ、本由良? 契約者って、何・・・? な、何を言いたいんだ? お前は、誰と戦ってるの?」

「一気に言われても困るなあ。とにかく、一緒に、この世界の崩壊を、止めよう」

「いや、だから、世界が崩壊って何? それも、ゲームの話なんでしょ?」

「ゲーム・・・と言えば、ゲームかな?」

「そのゲームは、僕の力がないと攻略できないの?」

「本当はいっぱいいた方が良いけど、今は二人で頑張って行こうね」

本由良の考えが全く読めない。何を考えているんだ? さすがは校内一のヘンテコ女と言うべきか。

「じゃ、溝呂木くん。よろしくね」

そう言って本由良は僕の手を掴んだ。とても柔らかくて、手を掴んでいるのに、まるで僕の心も掴んでいるような感じがした。



「わ、わか」

「ちょっと待ったあああっ!!!」

僕が本由良の誘いに乗りかけた瞬間、図書室の扉が勢いよく開く。

「あんた、黙って聞いてりゃわけの分からないことを並べて! 何が目的なの!?」

虎姫が本由良に突っかかる。

「・・・」

「ねえ! 何か言ってよ! 溝呂木をどうしようって言うの!?」

胸倉を掴んで、顔を近付けて話すも、本由良は無視を決め込んでいる。

「お、おい、虎姫、その辺にしとけよ・・・」

「玖波は黙ってて! 部員の一人がわけの分からない洗脳されようとしてるのに、黙って見過ごせるわけないじゃない!」

「おい、いい加減にしろよ。本由良は何も」

「溝呂木も溝呂木だよ! 何本由良の言いなりになろうとしてるの!? この子、校内じゃ何て呼ばれてるか知ってるでしょ?」

「知らねえよ」

「・・・・・・私も知らなかった」

玖波と僕はズッコケた。


その後、虎姫に事情を説明するも、僕と同じ反応で、「くだらないことに付き合ってらいれない」と言い残して帰って行った。

玖波も、「こんな酷い気分で『例のあのゲーム』をしたくない」と言って帰っていった。


「溝呂木くんは、信じてくれる?」

「信じられるわけないだろ・・・」

「崩壊してからじゃ遅いの! だから、騙されたと思って私と一緒に世界を救おう?」

また手を掴んできた。相変わらず、とても柔らかい。

「・・・・あのさ、何でお前、僕には普通に話せるの?」

「え」

「虎姫のこと、ずっと無視してたんじゃなくて、話せなかったんだろ?」

「ち、違うっ! ああいう感情的な人には何を言っても無駄だから、無視を決め込むのが一番良いの!」

「似たようなセリフ、リメンバー・メンバーって言うゲームで聞いたことあるぞ・・・」

「そのゲームから学んだもん」



本由良にコネクトのIDだけを教えて、その日はお開きにした。

家に着いた頃、本由良からチャットが飛んできた。

『溝呂木くん、本由良だけど、デセプション・オークションについて、明日話すね。おやすみ』

「・・・・こんなこと、別に送らなくても良いだろ」




つづく

こっちの方もお久しぶりの更新です。

今、ネタは思いついていますが書く暇がなくて・・・

しかし、夏休みになったので結構ドシドシ書いて行きたいですが、ワードで出版社に送る用も書いているので、難しいかもしれないです。


次の更新は8月中にしようと思っています。

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