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異能力バトルスポーツでチームを結成! ~ルールはまったく知りません!~  作者: おかかむすび
一章.始まり

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7.VSイレーラ


「ドゥバイル、行きなさい!」

「え、あ、ポルクス君、お願いします!」


 イレーラの声が、インカムを通して聞こえてくる。これを聞いたクレアは、メイカーが指示を出さなくてはいけないのだと、慌てて掛け声を発した。


 ♢


▼クレアのアクター「ポルクス」はグランドサークルに躍り出た!

▼イレーラのアクター「ドゥバイル」はグランドサークルに躍り出た!


 ♢


「ポルクス先輩。全力で行かせてもらいます!」

「遠慮せずにかかってこい!」


 先発アクターたちの闘志は十分だ。


 ♢


自陣:ポルクス

アクティブスキル

『回帰時計』@1/1

『エアライズシフト』@2/2

『マジカルトス』@4/4

『刹那』@3/3

『心変わり』@5/5

パッシブスキル

『タイムバウンド』@1/1

『ループライド』@1/1


敵陣:ドゥバイル

アクティブスキル

『???』

パッシブスキル

『???』


▼Tカウント「1」


 ♢


「クレア、聞こえるか?」

「聞こえてるよ! で、えっと、これどうしたらいいのかな!」


 ただの練習試合だと分かっていても、ものすごい緊張がクレアを襲う。本当にグランドアクトが始まったんだという興奮や不安で、手の震えが止まらない。


「いいか。グランドアクトの勝利条件は、相手側のアクター全員のHPを0にすることだ。難しいことは考えず、相手のHPを削っていくことを優先していけ」

「わ、分かった! 相手にダメージを与えればいいのね!」


 ポルクスが現在覚えているスキルの中で、相手にダメージを与えられるものは『エアライズシフト』『マジカルトス』『刹那』の三種類だ。


「それから、ドゥバイルはフクロウ族だ。フクロウ族は素早さに秀でている。特に、初期値では俺より向こうの方が上だ」


 ポルクスの言うとおり、相手のアクターには肩口から、焦げ茶と薄茶色が縞模様になっている羽根が生えているのが見える。


 フクロウ族は、大きな特徴が少ない亜人だ。ポルクスに言ってもらわなければ、クレアには彼がオオワシ族なのかフクロウ族なのか、判断がつかなかった。


「基本は、素早さが高い方からスキルを発動できるんだよね。グランドアクトは先に行動できる方が有利だって、調べていた時に見たのを覚えてるんだけど……」

「その認識で合ってる。ただ、こういってはあれだが、俺は学生の中でも最上位の速さを誇っていると言っていい。……一応、プロでも通用すると言えるぐらいには」

「ステータスランクのA表記って、そんなにすごいんだ……」


 やはり、ポルクスは自分のような、初心者メイカーには破格の人物なのではないかと感じた。

 ただ、それを認めたらイレーラの言葉を認めるようで嫌だったので、首を振ってその考えは追い出した。


「それから、精神力も高いな。ドゥバイルがどんな鍛錬をして、どこのステータスを伸ばしているかは未知数だが」

「精神力が高いってことは、魔法力から受けるダメージが小さくなるってことだよね。ポルクス君と相性悪い?」

「理屈はあってる。だが、俺の後ろに控えてるティルも、攻撃力は高くない。……というか、そもそもこっちは『物理』技を誰も覚えてない。それに耐久面も高くないから、この場面で交代しても、ティルが無駄なダメージを受けるだけだ」

「ということは、ポルクス君で頑張らないといけないってことね。それじゃあ……」


 ポルクスのアドバイスを受け、クレアはスキルを選ぶ。

 この中で一番威力の高いスキルは『エアライズシフト』だが、これは『交代』というカテゴリを持つスキルだ。今の話を総合すると、この場面で使うのは得策ではないだろう。

 クレアがメイカーパネルの中央画面にあるスキル一覧の中から『マジカルトス』をタップすると、試合が動いた。


 ♢


▼ポルクスの『マジカルトス』!

▼ドゥバイルに「そこそこのダメージ」!


▼ドゥバイルの『スタックコイル』!

▼ポルクスに「特大のダメージ」!


▼ポルクスは「劣化」状態になってしまった!

▼ポルクスは「劣化」状態により、精が1段階下がった!


▼ポルクスは『タイムバウンド』を発動!@0/1

▼自身が状態異常を受けた時、次のターンの間、自身の攻撃技の優先度を+1する!




『マジカルトス』…魔法でダメージを与え、10%の確率で自身の魔+1する

『スタックコイル』…物理でダメージを与え、100%の確率で相手に「劣化」を付与する

『タイムバウンド』…自身が状態異常になった時、次のターンの間、自身の攻撃技の優先度を+1する効果を発動する(1度限り)


 ♢


 指示を受けたアクターたちが動く。

 グランドアクトはルールとして、相手の攻撃を避けてはいけないと定められている。そのため、お互いがノーガードで技をぶつけ合う。


「ぐっ――!」

「ポルクス君!」

「問題ない! 一発耐えれば十分だ!」


 明らかにドゥバイルより大きなダメージを負ったポルクスだが、完全に体力を失ったわけではない。

 しっかりと、その両足でグランドサークル内に立っている。


「落ちて、ないっ――!?」

「イレーラ、相手が想像以上に固い。それに『タイムバウンド』まで持っていたのは、こっちとしては手痛い」


 一方、確かなダメージを与えたはずのイレーラの方が、今の盤面にひどく狼狽えている。

 焦った様子の声が、簡易画面と共に流れてきたのがその証拠だ。


「え、えっ。大きなダメージを受けたのって、ポルクス君の方だよね? なのになんか、相手の方も焦ってるんだけど?」

「向こうは、是か非でも俺を一発で落としたかっただろうからな。次のターンは確実に、優先度に補正のついた俺が先に行動できる」

「優先度って、確か素早さを無視して先に行動できるんだよね」

「そうだ。優先度の値が同じ場合も素早さの速い順になるが、今回は素早さでも俺が勝っている。向こうも俺と同じでHPが低いから、必要以上に俺からダメージを受けたくなかったはずだ」

「そっか。次のターンは確実に、ポルクス君からもう一度攻撃を受けちゃうことになる。それを相手は嫌がっているんだね」


 ♢


自陣:ポルクス 精-1 状態異常「劣化」

アクティブスキル

『回帰時計』@1/1

『エアライズシフト』@2/2

『マジカルトス』@3/4

『刹那』@3/3

『心変わり』@5/5

パッシブスキル

『タイムバウンド』@0/1

『ループライド』@1/1


敵陣:ドゥバイル

アクティブスキル

『スタックコイル』@2/3

『???』

パッシブスキル

『???』


▼Tカウント「2」


 ♢


 とはいえ、ポルクスは次に攻撃を受けたら、間違いなくやられてしまう。

 ならいっそのこと、一番威力の高いスキルを使い、ちょっとでも相手の体力を減らした方がティルの負担が減る。

 そう考えたクレアは『エアライズシフト』を選択した。


 ♢


▼ポルクスの『エアライズシフト』!

▼ドゥバイルに「特大のダメージ」!


▼ドゥバイルは倒れた!


▼ポルクスは『エアライズシフト』の効果によってシフトゾーンへ戻っていく!


▼クレアのアクター「ティル」はグランドサークルに躍り出た!

▼ティルはポルクスから『エアライズシフト』の効果を受け、速を1段階上昇させた!




『エアライズシフト』…味方と交代し、100%の確率で次に場に出た味方の速+1


 ♢


「イレーラ……すみません……」

「ドゥバイル、貴方はよくやりましたわ。やはり、ポルクス先輩は私たち世代の中で頭一つ以上、飛び抜けた才能をお持ちのようです」


 HPのなくなったドゥバイルが、その場に膝をついた。これをグランドサークルが感知したのか、ワープ機能が作動し、ドゥバイルをシフトゾーンへと下がらせる。


 そして『交代』技が成功したことで、ポルクスもクレア側のシフトゾーンへと戻ってきた。

 代わりに、ティルが自動的にグランドサークルへと飛び出していく。


「後は頼んだぞ!」

「うわわっ!」

「なんでティル君が出て――あ! 『エアライズシフト』ってカテゴリが『交代』の技だったっけ!」


 カテゴリに、交代の効果を持つ技には共通として、技が成功した時に味方アクターと交代する、という効果を持っている。


 交代先が選べる状態のときは、クレアの指示によって選択されるが、今回は2vs2ということでティル以外に交代先がいない。そのため、自動でティルがグランドサークルの場へ出ることになったようだ。


 1ターン目の時には覚えていたのだが、クレアは別のことを考えていたことで、そのことがすっかり頭から抜け落ちていた。


「さあ、行きなさい。リィナ!」


▼イレーラのアクター「リィナ」はグランドサークルに躍り出た!


 ♢


自陣:ティル 速+1

アクティブスキル

『ジャマーインパクト』@5/5

『反転の構え』@5/5

『堅固の教え』@5/5

パッシブスキル

『なし』


敵陣:リィナ

アクティブスキル

『???』

パッシブスキル

『???』


▼Tカウント「3」


 ♢


「クレアさん。俺はまだグランドアクトがよく分かってないから、ポルクスさんみたいにアドバイスとか出来ないけど……出された指示は、ちゃんとこなすからね」

「うん! 今の私には、それだけで十分心強いよ!」


 二番手として出てきた、もう一人の相手アクターは、見た感じネコ族だと推測できる。


 明るい褐色に、黒の斑点模様がついた猫耳。さらに、同じ色と模様を持った尻尾がピコピコと動いている姿は、とてもかわいらしい。


 しかし、グランドアクトにおけるネコ族の特徴なんてものは、クレアはまるで知らないのであった。


「分からない時は、難しく考えない……」


 今のクレアでは、あれこれ考えても頭がこんがらがるだけだ。それどころか、何か重大なミスを犯してしまうかもしれない。

 最初にポルクスから言われた、難しいことは考えないという言葉が、今のクレアを支えている。


 ティルの使えるスキルを確認し、クレアは一番無難な『ジャマーインパクト』を選択した。


 ♢


▼ティルの『ジャマーインパクト』!

▼リィナに「特大のダメージ」!


▼リィナの『静かな不意打ち』!

▼ティルに「そこそこのダメージ」!




『ジャマーインパクト』…魔法でダメージを与える

『静かな不意打ち』…魔法でダメージを与え、10%の確率で自身のランダムな能力+1する


 ♢


 この瞬間、初心者のクレアにさえ、勝負が決まったことが分かった。


「やった……!」


 クレアは胸の奥で小さく拳を握る。それでも油断してはいけない。勝利の足音が聞こえても、指示は常に冷静でなくては。


「降参なんてしませんわ! せめて、貴方だけでも……!」

「イレーラ、指示を! 私が絶対に一矢報いてやるっ!」


 イレーラとリィナは闘志をむき出しに、最後の最後まで戦い抜くことを決めている。

 相手の熱さに応え、また自分の熱さも出してぶつけていくのがグランドアクトなのだと、自分なりに理解したクレアは慢心することなく、ティルへ指示を出す。


 ♢


自陣:ティル 速+1

アクティブスキル

『ジャマーインパクト』@4/5

『反転の構え』@5/5

『堅固の教え』@5/5

パッシブスキル

『なし』


敵陣:リィナ

アクティブスキル

『静かな不意打ち』@4/5

『???』

パッシブスキル

『???』


▼Tカウント「4」


 ♢


▼リィナの『勇敢な疾走』!

▼ティルに「そこそこのダメージ」!


▼ティルの『ジャマーインパクト』!

▼リィナに「特大のダメージ」!


▼リィナは倒れた!




『勇敢な疾走』…優先度+1、物理でダメージを与える


 ♢


「試合、終了! メイカー、イレーラのアクター、全員の瀕死を、確認! 勝者は、クレア、です!」


 リィナが倒れた瞬間、アクシィがグランドサークルの中央へやってくる。

 アクシィから試合終了の合図と共に、クレアへ勝利の宣言が行われ、アクトフィールドの展開が解除された。

イレーラのアクターデータ


【名前】ドゥバイル ♂

【種族】フクロウ族

【スタイル】「クロノス」

【役割】エース


【ステータス】

 生命力:D

 攻撃力:E

 防御力:E

 魔法力:E

 精神力:D

 素早さ:C


【アクティブスキル】

 スタックコイル

 マジカルトス

 転身

 死中に活

 反転の構え

 クイックアクション


【パッシブスキル】

 逆流予兆


 ♢


【名前】リィナ ♀

【種族】ネコ族

【スタイル】「アビス」「エルドラド」「リバイヴ」

【役割】トップバッター


【ステータス】

 生命力:E

 攻撃力:D

 防御力:D

 魔法力:D

 精神力:D

 素早さ:E


【アクティブスキル】

 剛心

 静かな不意打ち

 勇敢な疾走

 戦闘指揮


【パッシブスキル】

 汚染物質への拒絶


※今回「役割」の効果はなし

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