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異能力バトルスポーツでチームを結成! ~ルールはまったく知りません!~  作者: おかかむすび
一章.始まり

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27/29

26.VSシオン④


「少しいいか?」

「うん?」

「この場面、もし俺が相手を一撃で倒せなかった場合を考えておきたい」

「えっ……。魔法力が三段階も上がっている状態で、相手が倒せないことを考えるの?」


 ここでリュミエールを倒し、残るノアールも倒すことしか頭になかったクレアは、そんなことが本当に起こるのかとポルクスの言葉を疑った。


「俺が先手を取る都合上、エアライズシフトで交代した場合、このターンの攻撃はティルが受けることになる。そして、一度シフトゾーンに戻ると、バラムからもらったアシストのバフ効果はもう戻らない」


 一撃でリュミエールを倒せたら、ノアールとティルが対面するので、ほぼ勝ちと言っていい。

 しかし、ポルクスが言うような状況になったとしたら、ティルは間違いなくこのターンにやられ、もう一度ポルクスが場に出てくることになる。


 その時、エースの効果はもう一度発動できるが、バラムのアシストで強化された魔法力一段階分は、下がったままになる。

 素早さは勝っているので、もう一度先制は取れると思うが、その後ろに控えるノアールも物理型だ。彼はアシストの効果で体力を回復し、さらに精神力も一段階上昇させてくるだろう。


 そして、リュミエールと同じく一発耐えてきたとしたら、ポルクスはほぼ間違いなく、やられてしまう。何より、彼にはもうエアライズシフトの残り一回しかない。

 高威力のスキルで攻撃できるチャンスは、一度だけだ。


「ポルクス君が残るより、ティル君が残る方が、少しでも勝率が高くなる……?」

「そうだ。エースは強いが、絶対じゃない。何より、キラーは対エースとして非常に強い。ここで受け役として使うのは、俺は勧めない」

「でも、威力の低いスキルだったから倒せなかった、みたいなことにならない?」

「それでもいい。ティルにつなげるべきだ」


 ポルクスはそう言っているが、本当にそうなのだろうか。クレアは迷う。

 彼はきっと、嘘をついていない。ただ、ティルに任せた方が良いという言葉は、ポルクスの自信のなさからきている言葉のように思えてならなかった。


 無意識に自信がなくなってしまうのは、過去のせいだろう。ほんの少し話を聞いただけでも、そうなってしまう原因の心当たりがあまりに多い。

 だが、クレアはポルクスを信じてエースを任せた。その想いに応えてほしいと思うのは、クレアのわがままだろうか。


「私は……私は、ポルクス君を信じてる! 私のエースは、ポルクス君だから!」


 たとえ、ポルクスに託した結果が負けに繋がったのだとしても。

 それはポルクスの責任ではなく、指示を出した自分の責任だと、クレアはもう腹をくくっている。


 だから、クレアはポルクスに託すと決断した。


 ♢


▼ポルクスの『エアライズシフト』!

▼リュミエールに「大きなダメージ」!


▼ポルクスは『エアライズシフト』の効果によってシフトゾーンへ戻っていく!


▼クレアのアクター「ティル」はグランドサークルに躍り出た!

▼ティルはポルクスから『エアライズシフト』の効果を受け、速を1段階上昇させた!


▼リュミエールの『記憶の螺旋』!

▼ティルに「測定不能なダメージ」!


▼ティルは倒れた!


▼クレアのアクター「ポルクス」がグランドサークルに躍り出た!


▼『エース』であるポルクスは、ここが正念場であると奮起し、全能力+1!

▼さらに、自身の魔を1段階上昇させた!




『記憶の螺旋』…このターンに相手が使用した技が既に今試合中に1度以上使用されている時、100%の確率で相手の魔/精のどちらか-1


 ♢


 ポルクスが攻撃した時、リュミエールは笑っていた。

 彼女は完全に耐えるだけの自信があった故の笑みだ。そして、実際にそうなった。


「硬い――」


 ポルクスは最後に残した言葉は、相手の耐久力が想定以上に上だと分かるものだった。

 そして、ティルと交代するも、攻撃力が二段階上昇しているリュミエールの一撃を耐えれるはずはなく、ティルの体力の推定二倍以上のダメージを受け、シフトゾーンへ下がっていった。


 そして、再びエースの効果を発動したポルクスが戻ってくる。


 ♢


自陣:ポルクス 攻/防/精/速+1 魔+2

役割:エース

『回帰時計』@1/1

『エアライズシフト』@0/2

『マジカルトス』@4/4

『刹那』@3/3

『心変わり』@5/5

パッシブスキル

『タイムバウンド』@1/1

『ループライド』@1/1


敵陣:リュミエール 精/速+1 攻/防+2

役割:エース

アクティブスキル

『スカイリレー』@3/3

『記憶の螺旋』@2/3

『戦闘指揮』@4/5

『???』

パッシブスキル

『浮遊視野』

『星霜の重ね』@0/1

『???』


▼Tカウント「11」

▼両チーム「正念場」


 ♢


「くっ……やはり、俺では……」

「まだ! まだ終わってない! ポルクス君、最後まで戦うよ!」


 先ほどの手ごたえから、次の一撃で倒せるかは完全に未知数。むしろ、ポルクスは届かないと思っている。

 諦めそうになる彼に、クレアは檄を飛ばして指示を与えた。


 ♢


▼ポルクスの『マジカルトス』!

▼リュミエールに「そこそこのダメージ」!

▼ポルクスは『マジカルトス』の効果により、魔が1段階上昇した!


▼リュミエールは倒れた!


▼シオンのアクター「ノアール」がグランドサークルに躍り出た!


▼ノアールは『アシスト』の効果により、自身の精を1段階上げた!

▼さらに、ノアールは自身のHPを10%回復した!


▼ノアールは『アロイヴェイル』の効果により、自身が状態異常に掛かる度、自身の精を上昇させていく!

▼ノアールは『黄金の血脈』の効果により、状態異常の時、自身の技の威力を高める!


 ♢


「そ、そんな……ほんの少し、足りないなんて……」


 リュミエールが膝を折る。その顔はひどく悔しそうで、歯が折れそうなほどに食いしばっていた。


「リュミエール!! くっ、こちらにはまだノアールが残ってますよ!」

「まさか、リュミエールが落ちるとは。非常に辛い対面ですね」


 シオンの悲鳴に近い声が響いてきたが、その声はすぐに冷静さを取り戻している。

 最後のアクター、ノアールがグランドサークルに立ち、ポルクスを迎え撃たんと構えた。


「届いた……?」

「ポルクス君! 私たちはまだ、負けてない!」

「……ああ!」


 ♢


自陣:ポルクス 攻/防/精/速+1 魔+3

役割:エース

『回帰時計』@1/1

『エアライズシフト』@0/2

『マジカルトス』@3/4

『刹那』@3/3

『心変わり』@5/5

パッシブスキル

『タイムバウンド』@1/1

『ループライド』@1/1


敵陣:ノアール 精+1 状態異常「毒」

役割:アシスト

アクティブスキル

『プレセプトレガリア』@2/3

『???』

パッシブスキル

『アロイヴェイル』

『黄金の血脈』

『???』


▼Tカウント「12」

▼両チーム「正念場」


 ♢


「相手は既に状態異常に掛かっているから、黄金の血脈でスキルの威力が上がっている、だよね」

「そうだ。クラーケンの攻撃力は、クマ族と同じ70が初期値だ。俺の防御力は一段階上昇しているが、おそらく耐えられない」

「分かった。泣いても笑っても、これが最後だね」


 ここでの選択肢はもう決まっている。クレアは躊躇わず、ポルクスに想いを託した。


 ♢


▼ポルクスの『マジカルトス』!

▼リュミエールに「そこそこのダメージ」!


▼ノアールは『黄金の血脈』の効果により、自身の技の威力を20上げた!


▼ノアールの『プレセプトレガリア』!

▼ポルクスに「致命的なダメージ」!


▼ポルクスは倒れた!


 ♢


「試合、終了! クレアチームのアクター、全員の瀕死を、確認! 勝者、シオン!」


 ポルクスが倒れた瞬間、アクシィがグランドサークルの中央へやってくる。

 アクシィから試合終了の合図と共に、シオンへ勝利の宣言が行われ、アクトフィールドの展開が解除された。


 メイカーになったクレアの、初めての敗北となった。


「もう一発受けていれば、私が負けていました。そして、手応え的にかなりギリギリでした。相当に鍛えていらっしゃるとお見受けしましたよ」

「ギリギリでも、俺は耐えられなかった。……いい試合だった」

「はい。本当に良い試合でした。何か一つ違えば、私たちが負けていたでしょう」


 最後に対面したノアールとポルクスが握手を交わし、お互いのメイカーの元へ帰ってくる。


「勝ったーっ! よく耐えましたね、ノアール!」

「あれほどのチームがまだ隠れていたとは、思いもしませんでした。これだから、グランドアクトはやめられない」

「私、すっごく悔しい! ほんとのほんとに、あと少し体力か精神力があれば耐えられた感触だったの! だから鍛錬してくね!」

「僕も、あのヒツジさんにいいようにされちゃって悔しいから鍛錬してく!」

「私も! 私なんて、完全に相性が悪かったとはいえ、手も足も出なかったもん!」


 シオンのアクターたちは勝利の余韻に浸ることなく、試合で感じたことをそれぞれ伝え合い、今後につなげる話をしている。

 これが、本当に士気の高いチームなのだと、クレアはすごく悔しかった。


「クレアさん! 試合、受けてくれてありがとうね! 私は試合に出られなかったけど、もしまた6vs6をすることがあれば、その時はよろしくね!」


 盛り上がっているところから抜け、こちらに挨拶をしに来てくれたのはユイナだ。

 彼女自身は試合に出てこなかったが、シオンへリベンジしたいという気持ちはもちろんある。


「あ、はい! いい経験になりました。えっと、シオンさんにもよろしく伝えておいてください」

「気を遣ってもらってごめんね。あの子、メイカーとしての腕は本当にいいんだけど、いかんせん人見知りがひどすぎて……。それじゃあ、今度はプロの舞台で会おうね!」


 ユイナの口から出てくるのは、プロという単語。彼女たちは既にそこを見据えていて、今度のオープンエントリー予選も勝ち抜く気がある。

 そんな自信に、満ち溢れていた。


「絶対、追いついて見せます。私たちも必ず、プロに上がって見せます!」

「うんうん! クレアさんのチームなら、勝ち上がってくる。そんな予感があるよ。もし予選中に当たっても、その時も手加減なしだからね!」

「ゆゆゆ、ユイナ! なに宣戦布告してくれちゃってるんですかぁ!? すみません、すみません! ほんっとうにこの子、血の気が多くて……!」

「いえ! 次は絶対に勝ちます! 覚悟していてください!」

「ええええーっ!?」


 ユイナが勝手にこちらと話しているのに気付いたシオン。こちらに来てみれば、ユイナが飛んでも発言をしているので謝罪をしたら、まさかのクレアからも宣戦布告を受け、今にも口から泡を吹きだしそうになっていた。


 こうして、シオンが率いるチームとは別れた。

 クレアは最後まで、涙を流すことはなかった。

シオンのアクターデータ


【名前】リュミエール ♀

【種族】クマ族

【スタイル】「メメント」「ファーマメント」

【役割】エース


【ステータス】

 生命力:C

 攻撃力:C

 防御力:D

 魔法力:E

 精神力:D

 素早さ:E


【アクティブスキル】

 スカイリレー

 記憶の螺旋

 疾風軌道

 反転の構え

 戦闘指揮


【パッシブスキル】

 輪郭の再写

 浮遊視野

 星霜の重ね


 ♢


【名前】シグル ♂

【種族】ウマ族

【スタイル】「アンノウン」「ウィズダム」

【役割】トップバッター


【ステータス】

 生命力:D

 攻撃力:D

 防御力:E

 魔法力:E

 精神力:E

 素早さ:C


【アクティブスキル】

 存在の証

 ラピッドプリズム

 勇敢な疾走

 弱点看破

 心変わり


【パッシブスキル】

 観察者の刃


 ♢


【名前】ノアール ♂

【種族】クラーケン

【スタイル】「エルドラド」「ファーマメント」

【役割】アシスト


【ステータス】

 生命力:C

 攻撃力:D

 防御力:D

 魔法力:D

 精神力:D

 素早さ:E


【アクティブスキル】

 プレセプトレガリア

 錬金障壁

 クラウドインヴェール

 威圧

 脱力


【パッシブスキル】

 アロイヴェイル

 黄金の血脈


 ♢


【名前】ジュネ ♀

【種族】シカ族

【スタイル】「リバイヴ」「イミテーション」

【役割】オーバーライド


【ステータス】

 生命力:D

 攻撃力:E

 防御力:E

 魔法力:D

 精神力:D

 素早さ:D


【アクティブスキル】

 マルチブレンド

 ミラーコンウォール

 パーペチュアル

 五つの予言

 甘い策略


【パッシブスキル】

 ノウリプレイ

 パスオンフレア

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