内通者?
うひょ〜!!!!!
研修が終わったよ〜ん!!!!!
「……報告は以上となります!」
アヴェルニア王国 王城──執務室にて
響音 ルシュ キリナ ネカリは今日の出来事を報告した
シェンドとの戦闘
超越魔具の解放
新たな女性の魔人の存在
ぱち、ぱち とデルガリヒは拍手した
「……まさか 超越魔具を覚醒させるなんてな」
その声は いつもの飄々とした態度ではなく
心からの関心を持った声だった
「……ルシュ、超越魔具って……?」
「森人種が作った すっごく強い魔具って思えばいいよ」
「使用者の思いに干渉して、使用者に1番適合した形になってくれるんだよ、キリナ様は……手甲らしいね?」
手早く 手記を更新したヴィクシーが目を光らせた
「……キリナ、それ以外にも なにか言いたいことあるでしょう?」
ビグッ とキリナは猫のように跳ねる
「え、えーと、えーと」
難しい顔を繰り返し やがて観念したように──
「……その、女の魔人なんですが」
「カマリ様に、よろしく、と……」
空気が凍ったような気がした デルガリヒも顔をしかめる
「……なんだと?」
「で、でも!例の話とは絶対に関係ないっす!カマリ様が、そんなっ!」
カツン とペンを机の上にアリシアは叩く
「……敵の陽動 虚偽の可能性はあります」
「すぐに カマリ様を拘束するような事は……しません」
その空気に耐えかね
響音 ネカリ ルシュは部屋を離れ
しばらくして キリナも暗い顔で部屋を出てきた
「……姉上 例の話とは、なんですか」
キリナは一瞬虚をつかれた顔をしたが
やがて観念したように話した
「……アヴェルニア王国に 魔獣が突然現れる現象が多く見られてきたことは知ってるっすね?」
「はい、本当に突然 現れる」
「……ほら、熊型魔獣が来た時、覚えてない?ヒビネ」
ああ、と思い出した
車椅子の少女と出会ったときた
「……まぁ、ストレートにいえば」
「内通者が、いるんじゃないか、と」
「……ない、つう、しゃ?」
響音が小首をかしげる
「……裏切り者 という事だ ヒビネ」
「うらぎり……」
響音自身 親からの裏切りによって命を失っているが
当の本人がそれを自覚してるかどうかは さておき
「悪い人なら 捕まえちゃうの?」
「しないっ!カマリ様がそんな事っ!」
「……あ、ご、ごめんっす 大声出して」
うーん?と響音は考えて
「でも、カマリ様はやってないから、違うよね?」
ごく当たり前のように出した結論に
他3人もぽかんとした
「……え、ヒビネ、わかるの?」
「……えっ?だって カマリ様はそんな事しないよ?」
「……なんで断言できるんだい?ヒビネ」
「……だって 誰か見たの?それ」
単純な思考回路に もう一度場が静まった
「……なら、やってないって信じた方が、いいよ?」
ネカリが困ったように笑みを キリナが顔を伏せて嗚咽
ルシュは穏やかな顔で
この少年に どれだけ心をかき乱されるのだろう、と
3人は 思いはぜたのであった




