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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
序章 「あの時の出会い」
7/81

Act7 name?

1週間、達成したぞー!

アヴェルニア王国は仕事に困ることは無い

市場では何を売ってもいい

魔術を利用した店を作ってもいい

自給自足ができるなら働かなくてもいい

男女共に兵士に志願することもできるし

学びを得たいなら得ることが出来る


ただ1つだけ

アヴェルニア王国の住民は15歳を超えた後の3年のみ


物理的な費用と通らない覚悟が必要な場所がある


それがアヴェルニアに2つ存在する

未来の王下直属部隊を育成を目的とした

「王立機関アクロア」「王立機関アシロア」

通称として、クロ、シロ養成所と呼ばれる施設があり

自由な国アヴェルニアにおいて


唯一 「試験」が行われる場所である


試験に合格し2年の教育を受け王城の兵士としてまず配属され、そこからアヴェルニアの外を調査する部隊に配属して認められたあと、王下直属部隊のリーダー達から査定を受けた、その上でアヴェルニア 現国王に認められた人間のみが


ようやく、30席のうちの1つを手に入れる


王下直属部隊に入るには

運が良くても10年以上はかかる……


はずの栄光が


王城に配属され1年──18歳という異常な若さ

尚且つ最上位【一凪】の隊長──

御伽噺の世界から飛び出た人間が現れた


アリシア・ピァーニ

元【六導】の隊長と副隊長である

ゼノンとノーチェルの娘であった


─────────────

熊型魔獣の残骸 それを切り落としたアリシア

姉を見つめるルシュと倒れ込む響音


「……」


「……」


姉妹──とは思えない程の静けさ


「あ、あの……」


「その男は誰だ」


凍りつくような声と表情

身内に使うものでは無かった


「えっと……迷い人……?」


「おろろろろろろろろろろろろろろろろ」


「きゃあ!」


倒れ込んでいた響音が大量に吐いた

口の中の酸味と血が混ざりあって脳が覚醒する


「ねぇあなた……大丈夫!?」


「だい……じょう……ぶ……、君は……?」


「私……?私は何もないよ、それより君の腕が……」


響が裏拳を放った右腕は肉と骨が見え黒く焦げている

誰が見ても「まずい」状態にあった


アリシアはその状況を見て近づくと響音の右腕を強引に掴む


「いづ……っ」


「……!何するの!やめてください!」


「なぁ……」

「本当にこの男は、何者だ?」


アリシアが困惑するのも無理はなかった

響音の右腕が──


二の腕から指先にかけて、治り始めている


まるで何もなかったかのように、肌の色も傷も何もかも


「嘘……?」

「貴方、痛くないの?」


「う、うん……痛いのは慣れ、てるし……」


もう立てる位にまで回復している響音は

ルシュの手を取りながら立ち上がった


「もう一度問うぞ、お前何者だ?」


「答え……ません、君の方から教えてください」


「……私を知らないのか?」


「うん」


アリシアは少し複雑な顔をしたあとに

服の乱れを直し正面を合わさる


「アリシア・ピァーニだ」


左手でアリシアは握手を求める


「ぼくは、、くろ……」


「あの!」


ルシュが2人の間に入って響音の、左手を両手で掴む


「私、あの私!ルシュ!ルシュ・ピァーニって言うの!」


「あっ、うん、僕、黒海堂響音……」


「クロード・ヒビネね!」

「なんで急に話せたのかわからないけど、色々聞きたいことあるんだから」


そういうなりルシュは顔を伏せる


「だからさ……帰ろ」


響音の手を引っ張り、その場を離れる

周囲も魔獣の回収やらで人も集まってきた


「それと……アリシア様」

「私、試験受けますから……」


「……!」


ルシュは短く伝えるとそのまま足早に去っていった

アリシアは空気を掴むまま止まってしまっていた

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