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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
第三章 「中級警戒区域合宿」
59/81

Act56 葛藤

8/13日の分、遅くなりました!

先日の分が本日の16:00に出てます、そちらも合わせてお願いします!

目が覚めると知らない場所だった

頭に冷えた感触がある


「あ……気づいた?」


傍らにルシュが座っていた

こういったシーンを何度も見ている気がするが

ルシュもそろそろ慣れたのか果実の皮をサクサク剥いてる


「……どれくらい寝てた?」


「いや、今回はそこまでだよ、あと少しでお夕飯」


ランニングが終わりから換算すると

響音が眠っていた時間は3時間程だった

丸一日以上寝ていた時よりも成長(?)はしていた


「はい、あーん」


ルシュは果実の一切れを響音の口に運ぶ

そのままシャリという音と共に口の中に酸味のある味が広がる


「……?」


知っている味がする、夏場にミノル先生が持ってきた……


「梨……?」


「美味しいよねー、ヒノク」


冬に取れるリンゴみたいなのがヨノク

夏にとれるのがヒノク……

世界が変わっても取れる果実の種類は変わらない


「……何があったの?椅子も蹴飛ばされてたし」


「ッ!そうだ、さっき……」


──ここまで言って口が止まる

今ここで、「この10日間のうちに、誰かが死ぬ」など

一体信じてくれるだろうか


それどころか全員がパニックになってしまい

身が入らないのでなmwいのだろうか


「……いや、なんでもないよ」


この話は皆にしてはいけない

その後夕食を食べたあと、響音はある場所に向かった


───────────────────────


コンコン


「はい、どうぞ」


「失礼……します」


「あら……ヒビネ君、どうしました?」


響音が向かったのは王下直属部隊の待機部屋

デルガリヒ、ヴィクシー、キリナ

そして明日来る予定であったカマリがいた


「……えっと」


なんと切り出そうか迷う

知らない女が入ってきて……いや

10日間以内に誰か死んじゃうかも!……いや


超絶迷った挙句、先に口を出したのはカマリだった


「ヒビネちゃん、はいかいいえで答えられる?♡」


「……は、はい」


「今からしようとする話は重要な話?♡」


「はい」


「……この合宿に対しての話?♡」


「………………は、はい?」


「んー、合宿に対しての文句の話?♡」


「いいえ!」


「話さないと、まずいかもしれない話?」


「はい」


「……養成所候補生と、私たちに関わる話……?」


「……ッ、はい!」


そこまで話したところで暫くカマリが考える


「…………………………誰かに被害が出る可能性ある?」


「……はい」


カマリのクローズクエスチョンで絞った内容

後ろで二人を見ている王下直属部隊のメンバーも

不安な顔で二人の会話を聞いていた


「ヒビネちゃん、話したい内容の中で」

「1番最悪な場合のパターンで結論だけ教えてくれる?」


「……10日以内に、誰かが……死んじゃう、かも……」


その話を聴いたヴィクシーは直ぐに何かを書き始めると

ワロウスに結び付けて飛ばした


「とりあえず、アヴェルニア王国に伝えました」


「一旦明日は室内で過ごそう、宿の管理人には俺が言っておく」


「室内でできるメニュー考えておくッス」


響音の一言で、全員が自分の行動を始めた

その姿に響音は少し戸惑う


「なんで……」


「……もしかして『信じてくれるわけない』って思った?」


カマリが呟くとゆっくりヒビネの頬を包む


「信じますよ、可愛い候補生のことなんやから♡」


「……」


自分の話を信じてくれる──

それだけで、響音の目には雫が溜まり始める


「あらあら、可愛い顔が台無しやわ、こっちおいで」


カマリが座らせると、ヴィクシーが冷たいお茶を出す


「──廊下で聞いてる貴方も、入りや?♡」


少しの静寂のあと、扉が開く

聞いていたのはアシュレイだった


「──すまん、廊下を歩くヒビネが見えてな……」


「……いや、アシュレイにも聞いて欲しい……」

「まだ、話とかないと、いけないこと、ある」


「……わかった、ゆっくり聞こう」


アシュレイも座ると、ヒビネは今日の昼時に起こったことを話していくのだった

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