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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
第三章 「中級警戒区域合宿」
58/81

Act55 2人目

先日出せずに本当に申し訳ない……

8/13日は16:00と21:00付近に2話出します!!!

初日の長距離ランニングが早くおわった響音は

合宿所にある食堂の長机でうたた寝……もとい疲れた体を癒していた


(つかれた……)


近くが海辺なのもあり、潮風がただよう

水泳の授業の後のあの感覚に似ている


この後夕飯があるのに……ウトウトしていると

ポン、と誰かに肩を叩かれた


振り向こうとすると、顔を優しく掴まれて

前向きにされる


「だーれだ?」


後ろから声をかけられ、戸惑う

誰……と言われても顔を見ないとわからない

とまで考えたが、ここ半年養成所にいたため

響音の頭は少しだけ柔らかくなっていた


(そういう遊びかな……)


間違いなく養成所メンバーではない

流石に全員の声は覚えている

声質的にも女性のはずだ

ここまで声が高い男性はいないはず(⚠︎響音視点の話です)


(あとは一緒に来ているヴィクシー様か、カマリ様……)


ヴィクシー様はこんな事するタイプではないだろう

つまり消去法でカマリ様……


…………………………


……カマリ様が来るのは……明日だ


「……誰?」


今自分は知らない可能性のある人間に頭を掴まれてる

恐怖と共に「侵入者だったらどうしよう」と少しだけ考えた、ここは中級海域、魔人が出る可能性だって0じゃないはず……


「そんな警戒しなくてもいいじゃん」


声の主はそういいながら手を離した

この隙に素早く動いて距離をとる、そこにいたのは……


「…………誰?」


金髪でふわふわした髪型の女性だ

アリシア様が金髪だが、明らかに違う


「えっ、酷くない?」

「……あ、そっか、これでわかる?」


そう言うやいなや、女性の横に同じくらいの大きさの穴が現れた、彼女はそこに手を突っ込むと


派手な色をしたネオンのパーカーを取りだし、着る


「…………あ」


派手な見た目の金髪の女の子


かなり前に熊型魔獣がアヴェルニア城下町に現れた時に出会った3人組のうち1人だ


「思い出した?」

「アンタもあの時よりはずっと強くなったみたいね」


「……でも、まだ開花してないか」


「開花……?」


意味深な発言をした彼女に一瞬困惑するが、直ぐに切り替える


「ど、どうやってここに入ったんですか?」


「どうって……普通に鍵空いてたけど」


「え、あ、そうだった」


あまりに当たり前の言葉に響音の調子が崩れる


「今日は警告を伝えに来たんだ、あの人がどうしても言ってきて欲しいって言うからさ……」


『あの人』という単語を気にかけるが

考える前に彼女が先に口を開いた


「あんた、今日からの10日間の内、大きな戦いが2回くるよ、死相は1枚見えてる」


その言葉に電流が走る

2回来る戦い──ではなく最後の言葉だ


「し、そう……?」


「言葉の意味だよ、この10日間の内、気をつけないと誰か死ぬよ」


「………………誰かは不明って事ですか?」


彼女はコクリと頷くと今度は後ろに大きな穴が空いた

次はしっかりと前から見ることが出来た

真っ黒な空間に煌びやかな星のようなモノが

散らばめられていた


「ね、アンタ名前は?」


魔王のような佇まいの彼女

その話し方はまるで、初めて隣の席に座った様な……


「……ヒビネ、クロード・ヒビネ」


警戒しながらも自分の名前を述べる


「そ、私もじゃあ紹介しなきゃね」

「私はカノンよ」













「『奏』でる『音』って書いて──奏音カノンよ」




「………………!!!!」


彼女の発言に大きく目を見開く

自己紹介の時、なんと書くか教える時の──


「ヒビネ……『響』く『音』で響音かしら?

あれ、私たち名前のニュアンス似てるね」

「クロードはちょっとわからないけど『くろうど』と言った所?漢字はちょっと推測できないけど」


確信した「漢字」という単語を難なく使った

『響』と『奏』といった単語に何かしらの繋がりがあることもわかった


この女──いや、カノンは自分と同じ、日本人だ


「……あ、苗字は鳴木場ナルキバね、鳴木場ナルキバ奏音カノン


「ヒビネ!なんの騒ぎ!?」


遠くからルシュの声が聞こえてきた


「あ……カノジョさん来たみたいだから帰る、またいつか会おうね、今度は開花した状態でね」


「待っ……!」

響音は走って掴もうとするが

カノンは穴の中に消え、穴は跡形もなく消え去る

何も無い空間を掴んだ響音はその場で呆然とする


──自分の他に、この世界に迷い込んだ人がいる


情報がオーバーしてしまった響音はその場で倒れた


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