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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
第二章 「養成所邂逅編」
53/81

Act51 貴族会議

1週間が経過!

明日は正真正銘のズル回になります

アヴェルニア王国にある一室


そこに今、七人の影とサヴァン王女、アリシアとローガンの姿が見えた


アリシアは先日の「キサセイ村の報告書」を読み上げていた


「……以上が先にあった魔人との遭遇記録となります」


王下直属部隊や一般兵士ならとんでもない功績なのだが

七人の影ーー 貴族たちからはいい顔はされなかった


「何故魔人を討伐しなかった?」


「話を聞いてましたか?……ああ失礼、歳をとると理解力が下がりますものね」


「貴様……」


アリシアの態度に怒りを表す貴族

貴族からすればアリシアの存在は面白くない

齢最年少で王下直属部隊の頂点


それだけでも嫌悪するというのに

さらには王下直属部隊の6つの部隊のトップまで総入れ替えをした流れで完全に貴族を敵に回していた


それは一部を除いて──


「まァ、私たち【Y】の家系はヴィクシーちゃん……それも今年の養成所メンバーにはエクレアちゃんもいる……私としては文句はありませんわ」


影の奥から扇子を携える女性、【Y】の貴族まだ声は若い


ほかの卓から大きな音が聞こえる、卓上を強く、何度も叩いている


「末端の貴族が調子に乗りやがって!」

「アリシアァ……!貴様、我が息子のオルトを試験で落としたな……!?」


大声を荒らげるのは【U】の貴族

試験2日目で落としたオルト・U・リセイスの実父だ


「我々の国の顔になる身としては相応しくないので」

「というか、貴方のその態度がそもそも質を下げるのをいい加減気づいてください」


淡々と貴族たちの罵倒や苦言に返していくアリシア

アリシアがトップになってから数回目だが既に慣れていた

無駄な会話を貴族と交わしたあと1人の気弱な男の声が聞こえる


「ァ、アリシア殿……」

「カマリは……息災だろうか」


「はい、カマリ様は元気ですよ」

「そ、そうか、なら良かった」


【R】の貴族 あまり表立つことは無いが

カマリが王下直属部隊に入ったのを皮切りに毎回の会議に出るようになった


「今後の予定ですが、アクロア養成所の生徒を全員連れての外部演習を予定しております」


「まて、それは貴様ら王下直属部隊も引率するんだろ

あまりにも王城が手薄になるだろう」


「私がいますのでご安心を」

「あなた達が謀反を起こしても返り討ちにできる実力はお持ちですので」


「それでは」と出口まで歩くアリシア


「アリシア・ピァーニ!!!私達、貴族がいるからこそこの国が回っている事を忘れるなよ!!!!!!!」


アリシアは警告を無視し外へ出る、外に出ると

直ぐに1人の男と対面する


「よ」


「……マディロア様……」


話しかけてきたのは【O】の貴族

土魔術を得意とする【C】の貴族とどちらが上か?と

噂になる貴族だ


「悪いな、あの会議なんて出る意味無くてなサボっちまった」


「お気になさらず、ただの歳老いた者たちの会みたいなものなので」


「ハハッ、言うね」


周りに人が居ないことを確認したマディロアは

アリシアに近づく


「……ベヴォスニアは元気か?」


「…………さて、どなたでしょうか」


「とりあえず死んでは無いみたいだな」

「たまには帰ってこいって伝えてくれ、門をくぐるのがアレなら俺の家にでも来いと言っといてくれ」


「……」


マディロアは気づけば目の前から消えていた

1人残されたアリシアは今後の予定を伝えるべく養成所に向かう


養成所の生徒たちはこれから起こる出来事が

吉とでるか、凶になるかはまだわからない


傷まみれの旅人 第二章


【養成所邂逅編】 閉幕




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