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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
第二章 「養成所邂逅編」
31/81

Act29 入寮

アヴェルニア王国の城の裏を出ておよそ2時間

裏を守るように存在する巨大な山を超えた先にある


王立機関アクロア、通称「クロ養成所」


今現在存在する王下直属部隊の多くは養成所出身

誰もがこの場所に憧れ、その道を目指す


そんな場所に今日、10人の若者が新しく入寮する


「この間来たばっかなのに、なんか懐かしいね」


「そう……だね」


「じゃあヒビネ、入る前に確認ね」

「寮生活が始まる時の約束3つはなんだっけ?」


「えっと……」


「 1 自分が違う世界から来たことは言わない

2 事前に決めた自分の設定を忘れないこと

3 上2つ以外の嘘はつかない……です?」


「そう!忘れてないね」


響音がこの世界にきてから3ヶ月強が経つ

時間が経過したとはいえ響音はまだこの世界の事

そしてなにより「常識」をまだ覚えきれてない


ルシュの矯正で多少は直ったものの

まだ移動用家畜「バロン」を「ウマ」と言ってしまう事もある


「仮に、間違えたりした言い方した時はどうする?」


「……自分がいた集落だと、違うかも……?」


「そう!変な人じゃなければそれで通用するからね」


アノセに置いて、響音が違う世界から来た

という情報を知ってるのは ルシュとべスキア夫妻の3人


「……お姉ちゃんは多分、バレてる」

「次会った時にきちんと話すしかないね」


ビグ中央広場での熊型魔獣襲来の際にルシュは

「迷い人」と響音を紹介していた


これを「本当に遠い場所から来た世間知らず」と解釈してくれれば助かるのだが……


「さ、じゃあ入ろっか」


寮の正面玄関、木製の大きな扉を開ける


正面入って目の前には昔の宿泊施設の名残で大きなカウンター、左に売店、右手前にリビング右奥に階段がある


部屋の数は全部で20部屋 3階建てで屋上もある


「この間は人が沢山居たからあれだけど、広いね」


ルシュがフロアを見回してると

リビングから声が聞こえる


「おふたりともー!こっちっスー!」


王下直属部隊のキリナがリビングから手を振っていた

2人はリビングに入る、既に何名か到着していたようだ


「ヒビネ!」「ヒビネさん!」


「ワダ……ア、アランとキサ──」


その返事を聞くまでなくアランとキサラは響音に飛び込む


「ずっと待ってたんだぜヒビネ!今日からよろしくな!」


「相変わらず良い匂いですねヒビネ…キサラ、昂ります」


床に倒れたかと思いきやキサラの髪の毛がクッション

となって怪我はひとつも無かった


その音を聞いてリビングの奥にあるキッチンから

アシュレイとレセナが出てきた


「ヒビネ、来てたのか」 「あら、楽しそうですわね♡」


ヒビネの周りにたくさんの人が集まる

全員名前で呼んでいる為、相手も接しやすいんだろう


「おーっほっほっほ!ルシュ! やっと来たんですのね!この私、エクレアを待たせるなんて中々──ヒッ!?」


ルシュの顔をエクレアが覗き込むと──


「……え?あっ、エクレアちゃん、ごめんね!」


「あっ、えぇ、おほほ……」


(今……人でも殺しそうな顔してましたわ……)


それは嫉妬心なのか、それとも……


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