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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
序章 「あの時の出会い」
3/66

Act3 おいしいね

毎日投稿3日目です!

弟が熱を出してしまって大変です

黒海堂響音は夢を見ていた

明るい光が差し込む部屋で優しい顔をした女性が

僕の事を目覚めるよう声かける


下に降りれば少し忙しく動く男性が

頭を乱暴に撫でると慌ただしく外に出る


温かいご飯を食べて、外に出る

そこには友達が待ってくれていて……


そのような幸せな思い出など響音の記憶には無かった

脳裏に刻まれているのは、痛みだけであった


────


「……!……!……」


見慣れない天井が目に映る、響音は横になっていた

目の前に見慣れない大人の女性が立っており

こちらに何かを伝えているが響音が知っていない、奥の扉からもう1人の女性、否 女の子の姿が現れた


腹部と腕に包帯を巻いておりどこか見覚えがあると思うと、昨晩に大きな熊に襲われていた人だと思い出す


「だい……じょうぶ?……」


自分の腕と腹を必死に指して説明するも

やはり伝わっていない

だけど女の子は少し笑うと、むふーとした顔で

お腹と腕をバシバシ叩いた

安心からかお腹の鐘が大きくなった


大人の女性はいつの間にか響音の目の前に

普通のパン、普通のスープ、普通のサラダをだした

空腹に溺れていた響音はあっという間にたいらげた


目からは涙が止まらなかった


──────────


男性が泣いている姿というのは初めて見た

とはいえルシュの中で男性は父親だけだった

痛くて泣いているのか、何も毒などいれてないが


「普通に美味くて泣いてるんだよ」


フォルは笑顔で答える


フォル・べスキア

ルシュの夫婦が世話になった宿屋の女将だ

ルシュの父親の遺書を受け取っており、その中には

「私たちの2人娘を助けてあげて欲しい」

と記されており、その約束を果たしている最中だった


旦那はブライ・べスキアといい夫婦で営業している


「でも、会話ができないのは困りましたね」


「そうさね、かれこれ3日は眠ってたし明日の市場は流石にルシュも出ないと困るだろ」


「そうですね…バロンの餌代も高いですし…」


響音自体は昨晩の出来事だと思っていたが

実はあの夜の日から3日間が経っていた

ルシュは週の初めから4日間市場に出向いているので

明日は出向かなければ自分の食料さえ難しくなる


「明日、一通り売り終わったらロギア様のとこに行こうと思います」


「そりゃいい、アタシは魔術なんてよくわからないから翻訳の魔法なんかもあるかもしれんしね」


ロギア・アルケリストはルシュの両親の元上司と言えば

わかりやすいだろうか

王国最古の魔術師と呼ばれている


(でも大丈夫かな…どこから来たのか分からない、言葉も通じない人を外に出せるか……)


「ま、とりあえず涙を拭かなきゃね」


響音の涙をる種は優しくふき取った


響音は目を丸くしていた

優しくされたことなど今まだひとつも無かったから


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