Act 26王立試験 合格者
毎日投稿2日目です!
夜勤のせいで遅くなってしまいました……
4日間の試験が終わり
ついに合格者の発表、選ばれるのは……?
「皆、おはよう」
王立試験の4日間が終わった翌日
初めに筆記試験を行った場所で30人程の試験者が
並んで座っていた
「まずは本来3日間の試験の所、4日間になったことを謝罪する、申し訳なかった」
アリシアが深々と頭を下げ、その場にいる全員に謝罪を行った
「しかし、全員が同意をしてくれたおかげでこちらも満足いくような合格者を選べた」
「試験内容を大幅に変更してからイレギュラーな事も多々あったが、それも今回で最後となる」
「……では、合格者を発表する」
「大丈夫かな……ヒビネ」
「……」
ルシュは不安そうに響音を見る
3日目をそもそも受けてない響音からしたら
(落ちたらどうやってこれから過ごそう……)
という不安が先に来ていた
「ルシュ……ぼく……働けるかな……」
「えっ……何の話?」
「まずは首席の発表だ」
「アシュレイ・C・ロード」
「はい」
響音が1日目の試験日に出合った銀髪の男性だ
氷魔術を使う皇族の1人
「次席 レセナ・T・カロット」
「はぁい」
同じく1日目にあった背の高い黒髪の女性
水魔術を使う皇族の1人
「三席 アラン・ワダチ」
「はい!」
4日目の試験日で会った黒髪短髪の男性
初対面の響音にも優しくしてくれた
「四席 エクレア・Y・アグロニア」
「おほほ……って、四席ですの!?」
ルシュが2日目に一緒にペアになったらしい
金髪のツインテールの女の子だ
皇族の1人で、雷魔術を使うらしい
「五席 ネカリ・ウジマ」
「はいはい」
響音は出会ったことない人物だ、緑色の髪の毛で背は高めの細い男性だ、今にも眠そうな目をしている
「六席 キサラ」
「はい……」
4日目の試験日にアランと一緒にいた狼の女の子だ
エルドラシルからきた獣人種
「ここまでが、3日目の試験で決まった6人だ」
「ここからは、4日目の試験で決めた合格者だ」
アリシアは2枚あった紙の1枚をめくり
一呼吸置く
「……では、七席」
「レア・エバルタ」
「……!は、はい!」
2日目の試験を共にした眼鏡をかけた女の子だ
昨日の会話のせいでちょっと気まずい状態である
「八席……リク・レダ」
「……ん」
その場にいる全員が少し不思議な顔をしてた
それもそうだ、4日目の時点で減った顔の中に
まったく見たことの無い顔の人物だったからだ
赤色の髪で、襟がやけに深い服を着てる
……?今一瞬、目が合った気がする
「では……最後に、九席」
「最後……?」
4日目の朝の時は「10人の合格者を予定」と言っていたような気がしたが──
「ルシュ・ピァーニ」
「え……」
隣に座っていたルシュが驚いた顔をした
「……ルシュ・ピァーニ?」
「あっ、はい!」
「以上の9名が合格者だ」
「再度言っておくが、これは王下直属部隊の隊長全員の総意で決まったことだ、1個人の感情、招待状の有無は関係ない」
「実際問題、今回招待状を受け取り合格した人間は2人しか居ないからな」
アリシアが話をしている間、ルシュは泣いていた
自分の目標でもある親の仇──その為の第1関門が突破できた事がたまらなく嬉しかった
「ひ、ヒビネ……わたし……」
「うん、おめでとう……ルシュ」
ルシュは響音の胸にもたれてぐしょぐしょになるまで泣いた、泣く理由は合格したことと……
「でも……ヒビネが……」
「……」
響音の名前は呼ばれなかった事……
短い間とはいえ一緒に過ごした仲の2人
お互いがお互いを思うからこその涙と賞賛だった
「……合格者を発表した後で申し訳ないが」
「……あと1人、仮合格者を発表させてもらう」
黙っていたアリシアが口を開く
その言葉にざわめいた空間が静かになる
「……この4日間で、色々な人を見た」
「違う国にいた者、珍しい魔術を使う者」
「見た目との差が激しい者、違う思想を持つ者……」
「……そんな中唯一、何も分からない者がいた」
「生い立ちも、強さも……使う魔術さえもわからない」
今度こそアリシアは──
響音と、目線が確実に合った
「……クロード・ヒビネ」
「君が、10人目の……仮の合格者だ」
これにて、王立試験編、完結です!
大勢出てきたキャラクターも暫くは収まります!
1人1人の私の子供たちを是非、好きになってください!