Act16 王立試験 2日目 試験開始前
お待たせしました!
毎日投稿最終日です!
デルガリヒの後ろを試験生達はついて行く
養成所の裏にある広大な森でとても入り組んでいた
そして森の中にある開けた場所で止まる
「ここまでご苦労だった、それじゃ早速だが始めるぞ、まず全員これを目につけろ」
そう言うとデルガリヒは目隠しを手渡してくる
至ってシンプルな目隠しだ
「それを付けて合図が出るまで待機しててくれ」
響音とルシュは目隠しをつけるとその場で留まる
しばらくして──
「よし、外していいぞー」
言われる通りに目隠しを外す
すると目の前はさっき居た場所とは違う森の中だった
「あれ……?」
突然の出来事に響音は困惑する
しかしデルガリヒの声は間違いなく聞こえていた
「今はとりあえず声の出処は気にするなー」
「今、そこに2人組でいるはずだー、大丈夫か?」
「ふた……?」
響音は1人で立っていた、今思えば残った人数は奇数だったからもしかして1人なのかーと思ったところで
木の裏に、1人の少女が立っていた
「……」
「……」
「あー、いいか今お互いはパートナーだと思ってくれ
パートナーには危害を加えるの禁止、破った瞬間皇族でもなんでも脱落にする」
木の裏の少女と目が合ったまま時間が過ぎる
お互いが目をそらさないためお互いが牽制しあっている
「んで、どっちかがデカめのコイン持ってるはずだー」
「コイン……?」
響音は自分のポケットや顔をペタペタ触るがそれらしきものは見当たらない
と目線を外した女の子をもう一度見ると
若干近づいた位置で両手にギリギリ収まるくらいの
コインを持っていた
「おっ……」
「あったな?コインそれ、2人で1枚って考えろ」
「そのコイン 2枚にして養成所に戻ってこい」
「なにやってもいいけど、過度な攻撃は禁止だ」
「じゃあ開始!」
それだけを伝えて耳の奥で「ブツッ」と音が聞こえた
「あ……え?」
ありえない早さで試験内容を言われ、ありえない速さで通信が切れる
少しだけ考えたあと……
「「あの……」」
「「あっ」」
「「先にどうぞ……」」
響音と少女は同時に話し、同時に顔を見合わせる
「ふふっ……」
少女は緊張が砕けたように笑う
響音はというとまだ困惑していた
「ごめんなさい、少し緊張しちゃって……」
「私、レア……レア・エバルタっていいます」
レア・エバルタ
眼鏡をかけた黒髪のボブ位の髪型の少女
「ええと……黒、海堂、響音です」
「クロード・ヒビネ……うん、ヒビネ君で…」
「じゃ……あ、レア」
「レッ……!?」
レアの顔が急に赤くなる
また木の影に隠れてしまう
クロード・ヒビネとレア・エバルタ
2人での王立試験 2日目が今スタートした