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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
第一章 「王立試験編」
13/81

Act12 王立試験 1日目の試験前

明日投稿すれば2週間連続投稿!

なんか変なのは一個あるけど……

恐らく300人くらいの人が着席した

響音とルシュは離れた位置にいた


(大丈夫かな……)


響音はパーカーのフードを掴みながら苦い顔をした

周囲の人を見ると全員が落ち着いた表情をしている

響音は前から2番の列に座っている


「それじゃあ試験を開始しますよ♡」


カマリが腕を振りながら声を出す


「時間は180分♡途中で終わりでよければ用紙を袋に入れて退室して」


「もちろん私は【五幻】の隊長なので──」


その言葉と共に……室内は響音とカマリだけになった


「……あれ?」


響音はその場に起立する


「…………あら?♡」


バチリとカマリと目が合う

カマリは目を丸くしたあと目を細める


「……ごめんなぁ?キミ……大丈夫だから座ってええで♡」


「あ……ごめんなさい」


─────────────────────


カマリ・R・アランセルは自分を落ち着かせるために

髪の毛を執拗に触っていた


今この室内には2つの魔術が巡らせてある


ひとつは隠霧魔術ミスト

これは単純で、範囲にあるものを

極限まで視認しにくくする

人が使う魔術ではなく教室内に貼られた魔術痕を利用した魔術


もうひとつはカマリの使う支配魔術マリオア

自分が設定した魔力の量を下回る生命を視認する事で

命令を下せる魔術


ただし対象が多ければ多いほど高度な命令をこなせなくなる、例えば他者に「自分の首を落とせ」と命令する場合

まずその言葉を認識できる生命体、対象は1人と制限がかかる


さらに支配魔術マリオア第三級禁忌指定魔術──

そもそも使うこと自体が禁止なのである


なのでこれを使えるのはアヴェルニアでただ1人

王下直属部隊 【五幻】精神魔術のエリート「R」を持つ

カマリだけなのである


王下直属部隊の信頼と国王の誓約により

カマリに許可が降りている


先に紹介した隠霧ミストの弱点として

意識すれば見える、動けば普通に見える……という点


なので今回カマリはこれと合わせて

室内にいるおよそ300人に「椅子から立たない」

という命令を下していた

「椅子から立たない」なので倒れれば動けるし

それ以外の攻撃も何もかも行動ができるので

300人に下せる命令としては

ギリギリの支配になっていた


が──

今この目の前にいる子は

いとも容易くその場を立った


「…………あら?♡」

(……は?)


黄色いあまり見ない服を着てる少年が

間違いなく驚いた表情で私を見つめていた


(私が設定した魔力は自分の最大魔力量のはず……!)


今回のこの試験は──皇族級の人間が

4人居るのは知っていた


ヴィクシーの妹ちゃん…… 「Y」の冠

水魔術の始祖……「T」の冠

風魔術の始祖……「U」の冠

最後の一人は……皇族最強と言われる……

現国王アヴェルニアの理解者「C」の冠、最高傑作


この4人が──魔力を超えるならまだわかる


だけど今目の前にいるのは

何も分からない、誰だ?

私が知らない皇族?

考えてもわからない、ただわかるのは


このこの魔力量は私の魔力量を超えてる

ただそれだけ


(とんでもない才能……?いや……それにしては申し訳ないけどオーラも特に感じられませんわぁ……?)

(変に行動しても……あれやね……)


「……ごめんなぁ?キミ……大丈夫だから座ってええで♡」


よく分からないことは、後で考えることにした


「……はい!それじゃあ試験開始♡」

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