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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
第一章 「王立試験編」
11/81

Act10 ルシュの日記 王立試験前日

日付と時間は日本と同じだよ!

凝りまくったら解りづらいしね!

3/27


少しづつだけど外は暖かくなってきました

ヒビネがアノセに来てから3ヶ月が経ちます


ヒビネが王立機関の招待状を貰った日から

ずっとお勉強しています


自分が知っていることしか教えられないけど

今回から筆記の試験も追加されるらしいので

最低知識だけは叩き込んだつもりです


基本的な四元素の魔術とアノセの歴史

皇族の家名と始まりの英雄の名前……


今までとは全然違う試験を想定してるから

どうなるかは本当にわかりません


……本当にわからないと言えば


ヒビネの話も色々聞きました

ヒビネが住んでいた国は「チキュウ」というらしいです


アノセとは違って生き物を使わない移動だったり

王城くらいの高い建物がいっぱいあるらしいです


ヒビネの暮らしの事も聞きました

……ここに書くのも辛いくらい気持ちのいい話ではありませんでした


ヒビネはずっとお父さんと2人暮らしなんだそうです

お母さんは産まれた瞬間に出ていってしまったらしく


正確な日付は不明だけど

小さい時から日常的に暴力を受けていたと教えてくれました、おかげで暴力を受けたり痛みを受けることは当たり前のことなんだと思っていたらしいです


私がその時説明をしたけど

それでもまだ意識が完全に抜けてないみたいです


お湯の中に普通に手を入れるし、薬草取り入ったときも高い場所から何食わぬ顔で飛び降りるし、小さな魔獣に接敵して噛み付かれた時も平気な顔でいるし……


本当に驚いたのは──

彼が自分で自分の腕を切りつけていたのを見た

その傷が塞がる瞬間をじっと見ていた


「痛いのがわからなくなってる気がする」と

黒く濁った瞳で……話していました


少し怖かったけど、長年の歪みが生み出した認知だろう


ヒビネがなんでこの世界に来たのかはわかりません

でも「ここに来た理由は知りたい」と言ってました


ヒビネを王立試験に巻き込んだのは私のせいでもある

だからヒビネの知りたいことと、そして私のパパとママの仇を打つことをお互いの約束として話しました


……ただお姉ちゃんがヒビネに招待状を渡した理由は

やっぱりよくわからない


多分だけど……純粋な気持ちでは渡してないのはわかる

考えても分からないから、無駄なんだけど


明日からいよいよ3日間の試験が始まる

私が残るかは正直、無謀だとは思う

それでも私は頑張ろうと思う


明日も早いからここまでにしよう

遅刻はそもそも受けることも許されないらしいからね


おやすみなさい


ルシュ・ピァーニ


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