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傷まみれの旅人  作者: へびうろこ
序章 「あの時の出会い」
10/81

Act9 困惑と覚悟と……

眠い

ルシュは困惑していた

「今日は色々とあったから、明日話そう!」

そうヒビネに伝え迎えた翌日


明らかに見た目が高級なワウロス(伝書鳩)が

1枚の手紙と共に家の前にやってきた

手紙を受け取るともう目の前にワウロスはいなかった


王立機関の腕章、金の印で止められている手紙

王立試験特別招待状──


本来多額なルニア(円)が必要な試験を

無償で受けられる


これだけで頂きたい人は沢山いるが……


「基本的には皇族関係の人に渡るんだよね……」


皇族

アヴェルニア建国の際に立ち会った7つの家柄であり

それぞれの家柄事に得意とされる魔術がある

名前の間に英字が連なるのが特徴的


「だから王下直属部隊も皇族の人が多いんだ」

「ただ昨年から制度を変えたとかの噂で今回から試験内容が変わるって書いてあったんだよね」


ルシュは前に送られてきた今年の試験の用紙を見る

・試験は3日に分けて行われる

・全試験において王下直属部隊の隊長が厳正に判断する

・今までとは変えて筆記試験も導入

・皇族優先と見られる試験を完全に廃止する

・試験を合格するのが目的だと思わないこと


──王立機関試験 試験官代表 アリシア・ピァーニ


「多分制度を塗り替えたの、お姉ちゃんなんだよね……」


「……ルシュも……皇族?」


「え……」


ルシュの姉は王下直属部隊で最強という事は教えられているそれがイコールしているのだろう


「違う違う!私とお姉ちゃんは一般人だよ」

「……ただパパとママは王下直属部隊だったんだ」


ルシュの両親は既に他界している

アリシアが10歳 ルシュが7歳のころだ

家族で幸せに暮らし、外出していた際に

魔族によって──


「……っていうのが建前で」


ルシュは当たりを少し見回して床に液体を垂らす


「ヒビネ、口は固い方?」


「かた……?口は柔らかいと思うけど……」


「あ……そうじゃなくて、秘密は守れる方?」


「誰にも喋らなければいいの?なら大丈夫」

「何があっても喋らないよ」


「……本当はね魔族じゃなくて」


ルシュは顔をヒビネの近くまで近づける

今にも肌がふれあいそうな距離だ


「──悪魔に殺されたの」


悪魔


魔族とは違う、悪そのものと言われてる生命体

アノセでは遥かな昔に精霊と魔族の戦いがあり

500年前は人間と悪魔の争いがあり

人間側が見事悪魔を打ち倒し、打ち倒した英雄は

「始まりの英雄」と呼ばれている……


「私は子供だったから、誰も信じてくれなかった」

「それはそうだよね、悪魔なんて御伽噺の中でしか聞いたことないし」


ルシュは右耳に付いてるピアスに優しく触れる


「……お姉ちゃんも、その日から変わっちゃって」

「私のことをべスキアさんの所に預けて、1人でどっかに行っちゃった」


「……次にあったのは5年後、お姉ちゃんは15歳」

「突然宿屋に入ってきて……」


「「私は王下直属部隊に入る、お前は絶対に来るな」って言われちゃって」


「それで昨日のあれが久々に会った日、ホントになにも連絡くれなくて、お金だけはいつも届くの」


ルシュは自分の部屋にある金庫をあけた

中には大量のルニアが詰まっていた

その額は7,000,000ルニアを少し超えた値段であった


「お姉ちゃんは試験も普通に合格した……多分その後もすぐに王下直属部隊に入ったんだと思う」

「ルニアの支給日の日に必ずお金が来るの、200,000ルニアがね……でも1回も使ってないの」


ルシュは金庫の鍵を閉める

真っ直ぐな顔でヒビネを見つける


「試験に必要な資金は500,000ルニア、これはもう用意できてある、わたしはやっぱりパパとママを殺した悪魔を見つけたい」


「お姉ちゃんに来るなって言われても……私は行きたい」


「ヒビネは……どうする?」


お金の価値というのは響音にはわからない

だけどその数が生半可な額では無いこと

王下直属部隊最強になっていた姉から止められても

諦めなかったその精神が響音にとってはとても綺麗なものに見えていた


「ぼくは……」


傷まみれの旅人 序章


【あの時の出会い】閉幕


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