男のロマン
「おはようございます!」
カイ達がトウの家に着くと、玄関先でトウとその夫だろう人が待っていてくれた。
「今日はよろしくお願いします」
「私はトウさんとお話してるわね」
どうやらレイヤは、穴には興味が無いようだ。
「おう!来たな!オレはコマだ。」
まるでシイの様に恐い笑顔で笑う。
「付いてきな!」
バカでかいツルハシとスコップを担いで崖の穴に向かう。
途中で他の男達と合流したが、入る穴はそれぞれ別なようだ。
入り口に置いてあったランタンに火を付けて、奥へと向かう。
「この穴はコマさんが一人で掘ったんですか?」
「もちろん、そうだ。土の民の男はな、一生をかけて一本の穴を掘る。俺の親父も、爺さんも、その前からずっとそうさ。」
「なんか、かっこいいな!」
「ワハハハッ!そうだろ!?」
「俺達はな、その穴を見れば、どの様な男でどの様に生きたかが分かるんだ。」
「男達が何故穴を掘るのか、女の人に話してくれないと、トウさんが言ってたけど?」
「そうかそうか。だが、そうじゃない。」
「どういうこと!?」
「いくら説明しても、女衆には分かってもらえないのさ!俺達が、穴を掘るのはロマンだからな!」
「「 わかる!! 」」
俺達は、固く手を握り合った。
カイと坊はコマの穴の隣に、それぞれの穴を掘り始めた。
ここに自分の証を刻む為に。
数日無心に掘り続けていたが、
「いい加減にしなさいよ?」
眩しいくらいのレイヤの笑顔によって、その作業は完了したのだった。
カイ達は土の民の皆んなが見送る中、次の階層へと進んで行ったのだった。




