女の子の大切なこと
「えっ!これを私に!?」
『着てみる?』
「ええ!もちろん!」
それはユーパロ村の女の人達が着ていた服と同じデザインの、アイヌの民族衣装に似た服であった。
『やっぱり似合うのう』
「本当!?」
レイヤは大きな姿鏡を出して、色々なポースを取ってみる。
「凄くかわいいわ!ありがとう!」
『ほれ、こっちのも中々良いのじゃ』
まるでファッションショーの様に次から次へと着替えていく。
『私はこの色が好きだわ!ほら』
「まあ!素敵な模様ね!」
『こっちと組合せても良いんじゃよ?』
「どれも可愛くて素敵だわ!それに凄く動きやすいのね」
『このタイプは冒険用に作ってみたのじゃ。部屋着はこれじゃよ?』
「きゃーかわいい!」
『それに、これなんじゃが……』
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カイと坊は、家から追い出されてしまった。
女の子達で、何やら重要なお話しがあるらしい。
水鏡が現れて、
「うわー、遅刻しちゃいました!」
と、さくらも慌てて家の中に駆け込んで行った。
「何があったんだろうな?」
「坊、今日は俺達だけで修行しようか?」
「皆んな忙しそうだしな!岩場に行こうぜ!」
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「坊、この前お爺さんが言ってただろ?壊す力じゃなくて、優しくするんだって。」
「言ってたな!」
「その時、ぴーちゃんのことが浮かんだんだよ。」
「オレもそう思った!ぴーちゃん、ちっちゃいし、よちよちしてて、優しくしなきゃって思うよな!」
「そうそう、優しくするって、そんな気持ちだよな。」
「やってみようぜ!」
「お館様、坊様。おはようございます。」
「宮川さん、おはようございます。」
「おはよう!」
「今日は私も修練させて頂いても宜しいでしょうか。」
「一緒にやろうぜ!」
「もちろんです!」
カイ達はお爺さんから教わった事を宮川に話すと、
「なるほど、恵みの大地の神様との繋がりが大切なのですね」
「そうなんだ!でも、それだけだとドオーンてなるんだよ!」
「なるほど。」
「優しく優しくしないとだめらしいんだけどね。難しくて。」
「レイヤは凄いんだ。爺さんの見ただけで、すぐ出来ちゃうんだぞ!」
「レイヤ様は、幼少の頃から旦那様と修練しておりましたから。下地はかなりございます。お館様や坊様はまだ始めたばかりでは御座いませんか?」
「そうだったのか。知らなかったよ。」
「レイヤも頑張ってたんだな」
「それに、この石を二つに割ることは、私にも出来ません。難しい課題です。」
「よし!出来るようになって、レイヤに見せてやろうぜ!」
「そうだね。頑張ろう!」
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「「ただいま!」」
『おかえりなさい』
『宮川も来とったんじゃな?』
「お邪魔しております」
『丁度良い、今日はお鍋じゃぞ?』
「師匠!どうです?」
「!これは…良く似合っていますね。」
「やった!」
「私もよ!ほら!」
「レイヤ恰好いいな!」
「レイヤ様も良くお似合いでございますよ。」
『さあさあ、皆んな上がって。』
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「宮川さん、ぴーちゃんを紹介するわ!」
「これは、初めまして。宮川と申します。よろしくお願いしますね。」
「師匠ったら、真面目過ぎですよ?」
『ほんとに不器用じゃの』
『お酒飲んだら良いのよ?』
「飲むのか?今日は飲んじゃうか?」
「今日は何の宴会なのかしら?」
『そうじゃな。今日は宴会記念日じゃ』
「アハハ!なんだよそれ!」
『それじゃあ、宴会記念日に』
「「「かんぱーい!」」」
『フフフッ。カイも坊も、すっかり元気になったわね』
『シロ様もな。』
『私も?』
『そうじゃよ?最近思い詰めた顔をしておるよ?』
『そう?』
『私らは家族じゃ。家族は助け合わなければな?』
『フフフッ。そうね。そうだったわ。ありがとう雪乃。』
『皆んな、大切な大切な家族じゃ。』




