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【夢で逢えたら】
「柳さん」
「はい。お嬢様」
「宮川さんを呼んて下さい。」
「はい。かしこまりました。」
サラは髪を結い上げ、レイヤと同じく黒のコンバットスーツに着替えていた。
「それと、朝食におむすびをお願いしますね」
「只今お持ちします。」
何故か、既にワゴンに用意されている朝食をテーブルに並べ、緑茶を入れる。宮川が用意させた物だ。
「ありがとう」
丁度食事が終わる頃にドアが開かれ、宮川が現れた。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
「昨夜、達也さんの夢を見ました。」
「………」
「寝ている宿泊客を地下3階に拘束しなさい。全員です」
「承知しました」
宮川さんはそれ以上何も言わずに退室した。
「ママ、ここの地下に3階があったなんて知らなかったわ!」
「私達もそこに移動しますよ。柳さんお願いね」
「はい。お嬢様」
柳さんが壁を何やら操作すると、そこにエレベーターが現れた。
「あ、パパの写真持って行くわ」
レイヤはテーブルの上の写真とクリスマスプレゼントを抱えて、
「ねえママ。パパ、笑ってた?」
「フフッ、勿論よ」
「そっか」
そう言って抱き合う二人には、あの頃の微笑みが戻っていた。




