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便利な魔法

「レイヤすげー!」


「いや、俺、自身なくすよ?ホントに。」


レイヤは雪乃がお手本の水鏡を出して見せると、見様見真似で出来てしまった。


「なんで出来たんだろう?」


本人も余り分かっていないようだ。


『さくらもやってみると良い』


「はい!頑張ります!」


『大切な人との繋がりを辿るのじゃよ。』


「…………」


『そして、結びを願うのじゃ』


水鏡は現れたが、ゆらゆらと揺らめいて消えてしまった。


「あっ!」


『よいよい。上出来じゃよ?見様見真似で出来てしまうレイヤがおかしいのじゃから。ほれ、もう一度じゃ』


雪乃はよい先生なのだ。カイでも覚えられたのだから、間違いない。


「出来た!」


「やるな!さくら!」


「柳ちゃん!良かったわね!」


「二人とも凄いよ!」


『これでホテルに行き来出来るじゃろ?』


「私、ママに自慢してくるわ!」


『フフッ、さぞかし驚くであろうな』


「柳ちゃん!行こう!」


余程嬉しかったのだろう。レイヤと柳はホテルへと自慢しに帰って行った。


「雪乃!他に何か教えてくれよ!」


『そうじゃな。こんなのはどうじゃろうな』


雪乃はトンっと跳び上がると、落ちる事なく空中を歩き始めた。


「なんだよそれ!凄いな!」


「かっけー!それ!それがいいよ!」


『フフッ。これは少し難しいぞ?』


雪乃は床の上に降りて、つま先でトントンと床を叩いた。


『ここに床があるじゃろ?』


「うんうん」


『実はな、ここにもあるのじゃ』


ぴょんと、空中の見えない床に飛び乗った。


『あると信じるんじゃよ?』


「よし!わかったぞ!」


早速、俺と坊は土間に降りて、ぴょんぴょんと跳び回る。


「はぁはぁはぁ…これキツイな」


「床なんて何処にも無いぞ!」


『おかしいのう。ほれ、ここにあるじゃろ?』


雪乃はぴょんと跳び乗る。


『信じるんじゃよ?』


見えないものを信じるのは、かなり難しい。


俺と坊は、ただひたすら跳び回った。


水鏡が現れて、レイヤ達がサラと宮川も連れて戻ってきた。


「お館様。おはようございます。」


「皆さん、お邪魔しますね。」


「もう空歩の鍛錬を始めておられるのですか?素晴らしい」


『お主は出来るであろう?』


「我流ですが」


と、階段を昇る様に歩いて見せた。


「龍二すげー!!昇ってるぞ!」


「宮川さんかっこいい!」


「お恥ずかしい」


そう言って、今度は階段から降りてくる。


『ただ信じればよいのじゃ。大抵の事はできるでのう』


サラはもう驚くことは止めたようである。本人曰く、


「いちいち驚いてたら疲れるのよ。」


とのことらしい。


「雪乃さん、これ皆さんで召し上がって。」


『ありがとう。気を使わんでもよいのじゃよ?せっかくじゃし、皆で頂こうかの。』


こうした雨の日も、たまには良いものである。







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