レイヤの修行
シロとレイヤは水鏡を潜って、シロの家にやって来た。
「お邪魔します」
『いらっしゃいレイヤ。謎は解けたようじゃな?』
「まあ、雪乃さんの計らいだったのね?」
『昨日は大層むくれておったからのう。お主、カイの腕に噛みついておったじゃろ?』
「えっ?私そんな事をしてたの?」
『そうよ。それが可笑しくて、皆んなで笑ってしまったわ。』
「……どうしよう。」
『フフフッ。カイは潰れておったから、覚えてないじゃろ』
「はぁ、」
ドオーン
遠くから爆発音が聞こえる。
「何の音かしら?」
『カイ達ね。今、龍神様に修行を付けてもらっているのよ。』
「あれが?修行してる音なの?」
『ちょっと覗きに行ってみる?』
「是非見てみたいわ!」
『フフフッ。雪乃も行きましょう?』
『そうじゃな。ちと、冷やかしに行こうかの。』
−−−−−−−−−−−−−−−
「まったく、カイは鈍臭いな!」
「いやいや、難し過ぎだぞこれ。」
そこに、水鏡からシロ達が現れた。
「あっ、レイヤちゃん!」
「お前も修行するのか?」
『ちょっと見学じゃよ。』
「お邪魔かしら?」
「よし、カイ!俺達の実力を見せてやろうぜ!」
「そんな大げさだよ、まだ始めたばかりじゃないか。」
「俺から行くぜ!」
そう言うと、手にした石をチョンと突く。
ドオーン!!
凄い爆発が起きた。レイヤは何か起こったのか分からず、シロに抱きついてしまった。
「ほら、駄目じゃないか」
「え?今の失敗なの?」
『フフフッ、未熟者め。よく見るが良い。』
雪乃は同じように石を持つと、チョンと突いた。
『ほれ』
石は綺麗に二つに割れている。
「おー!雪乃すげー!」
「流石だね!」
『そうであろう?』
「あの…何の修行なんですか?」
「あのね、あの石を爆発させないで、二つに割る練習なんだ!」
「すげー難しいんだぞ!レイヤもやってみろよ!」
「…いや、私は無理。」
もう訳がわからない修行だった。
「今度はカイの番だぞ!」
「よし!みんな、危ないから俺の後に居てね!」
カイは石を手にして、チョンと突くと、
シュンッ
と音がして、石が消えた。
「ホントにカイは鈍臭いな!」
カイの指から何かが、まっすぐ雲を突き抜け消えて行った。
「また失敗だよ。」
カイはガックリと肩を落とす。
『フフフッ。カイ、頑張って!』
今、レイヤの常識は粉々に消えてしまった。
『レイヤちゃん。はいこれ持って。』
シロはレイヤに石を渡す。
「え?いや、でも、」
『レイヤちゃんの刀でね、お豆腐だと思って切ってみて?』
「…はい」
レイヤはシロに言われたように、
すっ、と切ってしまった。
「おー!!レイヤすげー!!」
「まじかー!!凄いねレイヤちゃん!!」
「え!?…あ…はい。」
今日、一番の盛り上がりであった。




