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魔法教室

「カイ!おはよう!」


「…おはよう」


「なんだよ、元気ないぞ!腹減ったのか?」


「…ああ、そうだ。はい朝ごはん。おむすびだよ。」


「おっ!ありがとう。カイの嫁は気が利くな!」


「うん。」


昨日は余り寝れなかった。朝日が目に刺さる。


「幸せって、眠いんだな」


「何いってんだ?」


「坊、水鏡って作れるかい?」


「なんだよそれ?そんなの知らないぞ!」


「それが無いとさ、家に帰ってくるのが大変なんだってさ。だから雪乃が教えてくれるって言うんだ。」


「そうなのか?」


「うん。だから雪乃が来るまで、待ってなさいって言ってたよ。」


「わかった!」


カイはいつも夢で座っていた岩の上に座り、空を見上げる。


「そういえば、ここに来る時はいつも夜だったよな」


見慣れた景色も、朝日に照らされ新鮮に感じる。

カイは、昨日爺さんにもらった手帳を取り出し、最初のページを開いてみた。


「坊、見てよ。ここがこの池だね。」


「そうなのか?」


「うん。そして、これが山の爺さんの家だろ。今日は先ず、こっちの印の所に行ってみようと思うんだ。」


「うんうん。さっぱりわからんけどな!」


「あはは!俺に任せとけよ。」


そうしているうちに、水鏡が現れて、雪乃が来てくれた。


『坊、おはよう』


「おはよう!早くそれ教えてくれよ!」


『フフッ、せっかちじゃのう』


雪乃は俺の横に座り、


『良く見ているのじゃよ?』


そう言うと、正面に手をかざして、


『自分と繋がっている者、繋がっている場所。それをたどるのじゃ』


『そして、恵みの神様にお祈りする。自分とその者の結びをな。』


そこに水鏡が現れた。


『ほら。簡単じゃろ?』


「なるほどな!」


『用が済んだなら、恵みの神様に感謝してお返しするのじゃよ。』


雪乃が手を払うと消えた。


「よし!みてろよ!」


坊は両手を前にかかげて、静かに祈り始めた。


「どうだ?」


そこには、小さな水鏡が出来ていた。


『よいよい。その調子じゃ。』


「カイもやってみろよ!」


「俺もかい?」


「当たり前だろ!」


「よし!やってやるよ!」


俺は右手を前に出し、シロとの繋がりをたどる。そして、


「恵みの神様、どうかシロとの結びを」


すると柔らかな光が集まり、青い光の渦になって拡がって行く。

眩しく光るその渦が身の丈程に大きくなると、途端に弾けて消えた。


『カイは不器用じゃのう』


そこには、キョトンとしたシロが居た。


『え?なんですか?』


「シロ。シロに会いたいとお祈りしたんだよ。」


坊は腹を抱えて笑っている。


『まあ!カイったら!』


シロも嬉しそうだ。


『まあ良いか。』


カイの初めての魔法は大成功!かもしれない。






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