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とても…なお昼ご飯

「流石に、昼間でもしばれるな。」


外に出て見ると、陽の光は暖かだが吹く風は凍りついていた。

そんな中でも子供達は元気に遊び回っている。

実は北海道では雪合戦は新雪でしか出来ない。

降った雪が凍りつくと、雪玉にならずに崩れてしまうからだ。

同じ理由でかまくら等も無理であった。

遊びといえば、ソリで滑ったり、つららを取ったり、走り回って遊んだり転んだりだ。

この辺りだと昼間でもマイナス10度以下なので、服に付いた雪も溶けず、服も濡れない。


「あっ、カイが来た!カイ遅いよ。今度はカイが鬼ね!」


いや、通り掛かっただけなのだが、鬼になってしまった。


−−−−−−−−−−−−−−−


「はーはーはー…もう限界だよ」


「カイは走るのが遅いなー!」


「私よりも遅いわ!」


「いや、お前達凄すぎだろ。腹減ったからもう飯の時間だよ」


「そうだね!またなカイ!」


「またね!」


「たくさん食べて、足速くなれよ!」


もう言われ放題だ。でも確かに体力無いよな〜。


ただいま。


『おかえりなさい』


『おかえり』


「あれ?シロ、雪乃。来てたんだね!シイは?」


『山に行くって言ってたわよ?』


「そっか。お腹空いたなあ」


『そうそう、それでご飯に誘いに来たのよ。私達の家に行きましょう?』


「いいの?」


『当たり前じゃ。』


そう言って水鏡を出す。


「やったー!シロと雪乃がどんな所に住んでるのか、気になってたんだよ。」


ワイワイと話しながら、水鏡を潜って行った。


そこには雪が無かった。深い森の中、暖かなそよ風が気持ち良い。

少しだけ開けて陽だまりになっている場所に瓦葺きの小さな家があった。

俺は驚き過ぎて、立ち尽くしてしまう。


『何しておる、早う来んか』


「あ、うん。お邪魔します」


『違うわ。ただいまよ』


「え?」


またまた、シロはとんでもない事を言い出す。


畳が敷かれた部屋へ上がると、掘りゴタツ式の席に通されて、用意してあったのだろう食事が並べられた。

キノコや山菜に白身魚の鍋だった。凄く美味しそうだ。


『どうぞ、めしあがれ』


シロも、雪乃も席につく。


「は、はい。いただきます。」


これは、もしかして、食べて良いやつだろうか?

いや、食べなきゃ駄目なやつだ。

俺の本能が、そう言っていた。




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