【星の記憶】後編
『なんて綺麗なんでしょう。やっと見つけたわね』
「うん。まさかこんなに時間がかかるなんて思わなかったよ。ここは何階層くらいだろうね」
『110階よ?水鏡を潜る際に記録しているから間違いないわ』
「あの龍が嘘つきじゃなくて良かったね!」
『龍は嘘は付けないのよ?達也は何も知らないのね。』
「そのくらい知ってるさ!」
地下に広がる森の中。
目の前には大きな青く輝く湖があり、そこには小さな祠があった。
二人で祠に手を合わせる。
『あっ』
淡い青色の光の玉が現れた。
『………貴方達には強い繋がりがある様ですね』
『いずれこの地に招かざるものが訪れるでしょう。』
達也たちは、ご神託だと思い静かに聞いていた。
『この地の人々は、それに抗う術を持ってはおりません。』
『ですが、私との繋がりが、その者達から皆を守る手助けとなる筈です』
『私はこの恵みの大地そのもの。どうか私との繋がりを忘れないで下さい』
『私はいつも貴方達と共にあることを忘れないで』
そこに見覚えのある短刀と首飾りが現れた。
『それを貴方達に託します。頼みましたよ』
神様はそう言い残して消えて行った。
「あれは何だろう」
祠の後の地面に水鏡の様な物が三つ光っていた。




