【愛という繋がり】
『なるほどの、相わかった』
「よろしくお願いします」
烏丸での通信を終えて、ソファーに深く腰掛ける。これが最善とは言えないが、出した答えに後悔はなかった。
「ママ。シロさんだわ」
窓の外にはシロが立っていた。
「いらっしゃい。お入りになって」
『ありがとう』
柳がお茶を出そうとするが、
『付き合ってもらえますか?』
シロは何処からか一升瓶を取り出した。
「あら、もちろん。丁度そんな気分でしたから」
コンコン
「失礼します。お酒の当てをお持ちしました」
「フフッ、ありがとう宮川さん」
「さあ、どうぞお掛けになって」
『レイヤさんもいかが?』
「喜んでご一緒します」
柳は宮川の用意した料理を並べ、お銚子でお酌をする。こちらも、いつの間にか和装に着替えていた。さながら高級旅館の宴会の様な雰囲気がある。
和やかな宴であった。お互いに長年離れ離れの家族が再会したかの様に感じていた。
「不思議なものね。出会ったばかりなのに」
レイヤは少し酔って来たようで、シロの腕に抱きついている。
『フフッ、私達は達也と繋がっている家族ですもの。ほら』
シロは指をクルクルっと回すと、照明が消えた。
更に、青い光の帯で3人が繋がっているのがわかる。
そしてその帯はクロにも、柳にも繋がっていく。
それは意識すると果てしなく拡がっていった。
そして、それは大地とも天とも繋がっていく。
『これが私達の繋がりよ。大切な大切なものなの』
「凄いわ」
「なんて綺麗なんでしょう」
サラもこの光景に見とれてしまう。
『貴女達は鏡面界でこの繋がりを奪われてしまっていたわ』
『大切な大切なものだから』
いつの間にか、サラもレイヤも柳も涙を流していた。
『もう忘れてはいけないわよ?』
シロは優しく皆を抱き寄せた。