『 龍の書 』 第三章
第三章
俺は『次元』。
俺が龍となり次元そのものとなった事で、『愛』と『調和』だけではなく、『源』と『理』も救えるのではないかと考えていた。
だが、無限に広がる世界線を数億年辿り続けたがその様な結末に辿り着くことは、まだ無い。
どの世界線でも、結局『愛』は地球と同化し、『調和』は更に苛酷な役割りをさせられることになるのだ。
俺は、『次元』であるが故に、事象に働き掛ける力を持ってはいない。それが出来るのは、『源』と『理』なのだ。
いくつもの世界が滅び、それを観測するだけの俺の『心』は擦り切れてしまった。
可能性の世界線では、『愛』と『調和』だけなら助けられる。俺は『源』と『理』にその事を告げると、二人とも迷う事無く龍になる事を決めたようだ。
この世の本質とは、不完全なものへの憧れだ。
『宇宙』の本質とは、完璧な『調和』である。
我々がそこに偽りの『調和』を求めた事が『歪み』の本質である。
矛盾だらけのこの世界は、無限の可能性の世界線を生み出し、『宇宙』を満足させただろうか?
『変化』を望み、我等を生み出した『宇宙』が再び完璧に『調和』された時、『宇宙』は満足するのだろうか?
大いなる意志とは、その先に何を望むのだろう。