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自然農園


「鏡面界に戻るのか。」


「はい。この地を踏めた事で、私は自分の使命を悟りました。我が一族の使命と言っても過言ではありません。鏡面界をトカゲから取り戻します。」


宮川は、カイに鏡面界へ戻る事を告げた。

カイは珍しく龍に姿を変え、力を使いながら話している。


「奴らが数千年間積み上げたシステムは、人間達にも深く根ざしています。トカゲとの混血もかなり進んでいるので、家族の中にもトカゲは居るでしょう。排除するのは、現実的ではないと思います。」


「おっしゃる通りです。」


「どの様に戦うつもりですか?」


「一人ひとりの心の世界に入る事も、現実的では無いでしょう。私は先ず一族の中で自然農園を始めようと考えております。」


「…そうか!なるほど、考えましたね。」


「戦いや争いは、結局奴らの土俵の上です。私達は恵みの神様との繋がりを取り戻す事で、トカゲに対抗する術を得ました。十分に勝算はあると考えます。」


「俺も何かしら力になりたいのです。俺の力で、ゲートを恒久的な物にしようと思いますが、どうでしょう。」


「……お館様方に、ご迷惑をお掛けするかも知れません。」


「元々、恵みの大地と鏡面界は一つの世界なのです。次元さえも同じなのですから。恐らく、今の状態の方が不自然なんですよ。龍になってから、それが分かったんです。」


「…………」


「恐らく、誰かが恵みの大地からトカゲを切り離したのでしょう。」


「なんと…そういう事ですか。」


「宮川さん。ソルという他の次元から来た女神が居ます。彼女も鏡面界の状況を知って、心を痛めていました。話をしてみたらどうですか?」


「お館様…ありがとう御座います。」


宮川は、カイがここ迄鏡面界の事を考えているとは想っていなかった。


宮川の一族はもう百人程しか残って居ないだろう。

しかし、坂本達も繋がりを得て鏡面界へと戻っているので、世界に数カ所の自然農園を展開出来るはずである。


大規模に始めては、悪目立ちして潰されるだろう。小規模に、目立たぬ様に根を拡げることが重要となるはずだ。


そして、恵みの神様との繋がりを拡げる。


繋がりを持ったトカゲは、もうトカゲでは居られなくなるのだ。


宮川は、最後に深く礼をすると、消える様に去って行った。



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