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結びの旅館


「きゃー!!ツキヨ!私がお姉ちゃんよ!」


『これはまた、驚いたのう』


『月の花にこんな効果があったかしら?』


『私達は月の民なのです。月のお導きかもしれません。』


「小さくてかわいいな!」


「ぴーちゃんが来た時を思い出すわね!」


「ぴーちゃんは仙桃ばかり食べていたね」


『この子は私のおっぱいを飲んでましたよ』


『そうであろう。カクさんの子供じゃからな』


『フフフッ。この家も狭くなって来たわね』


『横に離れを建てようか?』


『いっその事、大きな母屋を建てましょう?皆んな泊まれるくらい大きな家が良いわ』


「そしたら、ママもババ様もマーサも寂しく無いわね!」


『フフフッ、そうじゃな』


『カイお願いするわね?』


皆んなの期待の視線がカイに集中する。


「うん。初めて使うから、上手く行くと良いけど。やってみるよ!」


皆んな外に出て見学するようだ。


カイは古い街並みの温泉旅館をイメージする。


皆んなが集って仲睦まじく暮らせる様にと願いを込めて、


「……空間創造。」


カイがそう唱えると、


「何も起きないわね」


「カイ!失敗したのか!?」



すると、遠くからドドドドドドッと凄まじい音が近づいて来た。

それは、沢山の材料を積み込んだ荷車と、大工さんやら左官屋さんやら沢山の職人さん達であった。


物凄い勢いで工事が進んで行き、あっという間にカイのイメージした温泉旅館が完成した。


「いい仕事だったぜ!」


棟梁らしき法被姿の年配の人が、最後の決め台詞を残して、来た時と同じ様に何処かに去っていった。


「思ってたのとだいぶ違うけど。」


『完成かしら!?』


『見事じゃのう』


『凄いわ!流石カイだわ!』


「入ってみようぜ!」


「私、皆んなを呼んでくるわ!」


レイヤはさっそく皆んなを呼びに出掛けていった。


−−−−−−−−−−−−−−−


「凄いわ!宴会場まで在るのね!」


「裏にはには滝もあるんだよ!」


『家族全員引っ越しても大丈夫ね』


『マーサの宿より立派じゃのう』


「凄いな!裏の滝壺に変な爺さんまで居るぞ!」


「「「 え!? 」」」


『ワシか?ワシがヘラブナ爺さんじゃよ?』


「……いや、…だれ?」


「あはははっ!変な爺さんだな!」



こうして後に『結びの旅館』と呼ばれる大きな家が完成したのだった。


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