命の繋がり
「かんちゃん大きくなったな」
「まだ3ヶ月だけど、変わるものだよな。」
「随分体重も重くなったわ!見習いママも大変ね?」
ぴーちゃんとクロはかんちゃんの横でお昼寝中だ。
「見習いパパは俺一人なんだよ?」
「あはは!見習いパパも大変だな!」
「カイも来年にはお父さんね。かんちゃんのお友達も沢山の出来そうだわ!」
「……あの、はい?」
「私は妊娠したようなんだ」
「え?ごめんなさい!てっきり知っているものだと思って」
ババ様は少し言いにくそうにしている。
「ババ様、ありがとう!」
カイはババ様を優しく抱きしめ、
「俺がお父さんになれるなんて、信じられなかったんだ。こんなにも、嬉しいものなんだね!」
「本当に、喜んでくれるのかい?」
「ああ、原初の力なんだ!この気持ちは、俺そのものだよ!」
命を生み出す力、命を繋いで行くということは、原初の力に他ならなかった。
それに気が付いたのた。
ババ様はカイの胸に顔を埋めて泣いていた。
余程不安だったのだろう。
「そんなに、不安にさせてしまってたんだね。済まなかった。」
ババ様は頷いていたが、中々顔を上げることが出来ずに、暫く抱き合っていたのだった。
「カイ。シロさん達にも報告したいの」
「そうだね!今から行ける?」
ババ様はコクンと頷く。
ヒロはその様子を見ながら、鼻水を垂らして泣いていた。今にも駆け寄ってお祝いしたかったが、影から様子を見ていたレイヤに袖を掴まれて動けなかった。
「今は邪魔しちゃ駄目よ?」
レイヤは人知れず、この頼りないパパを支えて居るのだ。
「これからが忙しく成りそうね」
そうして闇に消えて行く。
まだまだレイヤの暗躍は続くのだった。