君の名は、カクさん
『カイ?何処で拾ってきたのかしら?』
「いや、なんか離れなくてさ…」
『捨てて来なさい?』
『…困ったのう。お主何がしたいんじゃ?』
『カクカクカクカク』
「こんな感じなんだよ…」
幽霊船に居た、ボスの悪霊をやっつけたのは良かったのだが、浄化した後にも昇天せずに付いてきてしまったのだ。
『何言ってるのかさっぱり分からんのう』
『外国の言葉かしら?』
「カクカクしか言ってないわよ?」
「カイの後ろを付いて回るんだよ!カイに呪われたんじゃないのかな!?」
「何でだよ!」
「カクカクしてるから、カクさんだね!って言ってたじゃない?」
『まあ!名付けをしてしまったのね?』
『……何しとるんじゃ、カイ。』
「…どうしよう」
『取り敢えず、御飯にしましょう。』
「「「いただきます!」」」
「カクカクカク」
『器用に食べるのう』
『何処に消えるのかしら?』
「謎だわね」
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『お風呂で綺麗に洗って来てね?』
「この人、男の子かしら?」
『『…………』』
「カクさん…骨だよ?」
「オレが洗ってやるぜ!行こうカクさん!」
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「カイ!すげーぞ!!カクさん、ボインボインなんだ!!」
「………何で?」
「温泉に入ったとたんに、ボインボインなんだよ!!」
「…………いやいや。」
『レイヤ?招集ね?』
「わかったわ!」
「え?…いや、何の?」
レイヤは何処かへ出掛けて行った。
『全く、世話が焼けるのう。カイ』
雪乃は風呂へと向かった。
『フフフッ。今夜は長く成りそうね?』
これは、俺のせいなのか?
坊もすっぽんぽんのまま取り残されていた。
「…やれやれ」
坊の視線が冷たい。
どうやら、俺のせいらしい。